9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/25(日) 13:06:17.16 ID:dxcDzJ6y0
「ええいこのちびっ子め! こうなったら最後の手段だ!」
最後の手段が早すぎる気もするが、時は刻一刻と迫っているのだ。
今日はちびっ子限定サイン会。
このままでは一緒に参加予定の脇山と早坂が僕がいなくて寂しくて泣いてしまうじゃないか。
「な、なに?」
「誘拐する」
「……へ?」
ベッドらしき空間にしがみ付く双葉を脇に抱える。
十七歳とは思えない軽さだった。
「行くぞ双葉! 後で飴やるから!」
「セリフが犯罪者くさいよ!」
双葉の突っ込みもそこそこに、毛布ごと掻っ攫う。
時間的にギリギリだ。
衣装もメイクも現地で何とかしよう。
最悪、双葉の売り出し方を利用してそのままやらせればいい。
「あっ、ちょっと待ってログインボーナスだけ取らせて!」
「問答無用!」
「人さらい――っ!!」
誰もいない双葉宅に虚しい残響を置き去りにしながら、僕は部屋を飛び出すのだった。
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