72: ◆tcMEv3/XvI[saga]
2014/05/31(土) 16:33:46.69 ID:IflglCzmo
#3−11#
シェンメイと少女が交戦してから1ヶ月――。
――シェンメイは、ベッドの上で目を覚ました。
この清潔な空間が、病院だと察するのは簡単だった。
「目が覚めたようですね」
上等なスーツを着た男が、気さくに声をかけてくる。
シェンメイ「ここは……貴方は?」
社長「ここはRF製薬の附属病院。私は、RF製薬の社長です」
シェンメイ「殺せ……私は、拳法家として驕ったがゆえに、人間として生きるのに必要な尊厳を破壊された……殺せ……頼む……」
社長「……あの少女に負けたのですか。……上空の複葉機から見守っていましたよ」
シェンメイは、あの戦いの最中。#3−6#(>>67)複葉機を見ていたことを思い出す。
社長「1つだけ……貴方が死を選ばなくて済む手段があります……尤も、今のままの貴方には不可能ですが……」
シェンメイ「続けろ」
社長「あの少女たちを殺害し、汚名を晴らすのです」
シェンメイ「……ああ」
社長「ですが、今の貴方は弱い……」
シェンメイ「ああ……その言葉に言い返す術をもたないほど、私は弱い……」
社長「貴方が強くなれるように、2つのものを与えましょう」
「『カネ』と『敵』です」
社長「今すぐ答えを出す必要はありません……では、失礼します」
―――――――――――――――――――。
シェンメイと社長の交渉から数日――。
『魔女の森』深部。
妖しい霧が立ち込める、魔女の森――。
その洋館は、大木の幹と一体化していた。
アリス「ダニエル兄さんの行方は分かった?」
社長「……2ヶ月後に『聖堂』を攻略します。それには貴方の力が必要だ」
アリス「兄さんの情報がなきゃ参加しないわよ」
社長「順序が逆ですよ……参加して『聖堂』を落としていただければ、ダニエルさんの情報を提供します」
ダニエル・ザナドゥ博士は、ザナドゥ薬の開発者にして――『最初のザナドゥ使い兄妹』のうち、片割れでもある。
だが片割れの『魔女』ことアリス・ザナドゥは、我々に対し若干非協力的だ。
一方で、ダニエル博士は我々のために良く働いてきた、強い忠誠心の持ち主だ。
ダニエル博士が失踪した原因、現在の所在地は未だに不明だが……。
とにかく、RF製薬には、今後も彼の助力が絶対に必要だ。
人類の発展と、桃源郷(ザナドゥ)実現のために――。
第3話 END
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