過去ログ - 安価で超能力バトル
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91: ◆tcMEv3/XvI[saga]
2014/06/04(水) 11:27:39.15 ID:aQz/dXVqo


#4−3#
*圏外(アウトレンジ)*


一行は少女の走る速度に合わせて駆けていた。


少女が先導兵(ポイントマン)を務めるべき理由は3つある。

この中では少女が最も足の遅い人物で、足並みをそろえるために遅いものが先導すべきなのが、1つ。
この中で、異常の発生した正確なポイントを知るのが少女だけというのが、もう1つ。
最後に、この水路を張り巡らされた自軍のトラップ全てを暗記しているのは、彼女くらいなものだからだ。

5度目の丁字路に差し掛かる。


少年「次の角は――」

少女「左です。右は爆弾のトラップが仕掛けられていますから、間違えないで……」

軍曹「爆弾トラップって、あのこれ見よがしな荒縄がスイッチですか?」

少女「……?」


軍曹が指摘した荒縄は奥の通路までずっと伸びていた。
縄のこちら側はまるで首吊りの縄のように輪が結ばれ、輪の先端が僅かに浮いていた。
少女が「伏せろッ!!」と叫んだ瞬間――。

縄が引かれ、極細のワイヤーに触れ、爆発のトラップが起動した。

鈍い轟音。
天井が揺れ、破壊される。


――――――――――――――――――――――――――――。


気絶時間、約10秒。
ダニエルは目を覚ました。
咄嗟に伏せることができ、外傷は少ない。延焼した白衣は捨てねばならなかったが。


ダニエル「ク、クソッ……大丈夫か?」


ダニエル、声をかけて辺りを見回す。
丁字路の中心は天井が崩落し、通行が出来ない状態となっている。
隣に軍曹がおり、それ以外には誰もいない。
落ちた天井で作られたガレキの向こう側から、少年の声が届く。


少年「分断作戦ですか」

軍曹「どうやら2人ずつで左右に分断されたようだな」

少年「爆弾は歩兵にのみ影響を与える位置に設置していましたが……天井に場所を変更されましたか」

軍曹「敵は周到にここで待ち伏せていたと?」

少年「その通り。こちらのトラップを逆に利用されましたね……それでお二人さん、大丈夫みたいですね」

軍曹「ええ。そちらは?」

少年「フィオナ……いえ、プリンセスが気絶したままです」

ダニエル「なんてこった。彼女のレーダーとコピー能力が生命線だと思ってたが……」

少年「こちらはこちらで何とかします……敵の作戦がセオリー通りであれば、分断後すぐに挟撃されるでしょう」


「御武運を」




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