過去ログ - 希「私とウチ」
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8: ◆vE.eVxfJKU[saga]
2014/05/26(月) 22:32:33.75 ID:5mo3h0HG0


式も終わって、今はクラスでの自己紹介の時間

みんなはこの学校に入学できた喜びと期待に満ちた顔をしていて

自己紹介にもその思いが伝わってくる

好きな芸能人は誰か、趣味は何か、部活は何をやろうか

話の話題になるようなことを挙げて、自分をアピールしてる

それが正しいんやと思う、高校生活の最初からつまずきたくないもん

――だけどウチは同じことをしようとは思わないんよ

今さら友達が欲しいなんて思わない、それこそ下手に目立つ可能性だってある

ウチはこの学校での生活を平凡に過ごそうと思うんやから――

そんなことを考えているウチにもうすぐウチの番がやってくる

あたりさわりのないことを考えて自分の番が来るのを待った

前の前の人が終わり、ウチの前の人が席を立った

そして言ったんよ


「みなさん、初めまして。絢瀬絵里と言います。よろしく」


それだけ――ウチはその言葉を聞いたとき驚いた

この子は周りとの関係を自分から拒んでる、ウチにはわかったんよ

当然、みんなも驚いてた

だってそうやろ?モデル並みに可愛いのに、放った言葉があれだったんだから

ここでちょっと可愛いことを言えばすぐにでもクラスの人気者になるのを

この子はしなかった――いや、出来なかったんや

ウチはこの子の自己紹介が印象に残りすぎて、その後自分が何を言ったか覚えてないんよ

気づいた時には全員の自己紹介はとっくに終わり、初日の日程はすべて終わっていた

放課後になり教室を見渡すと既に何個かのグループができ、アドレスの交換などをしていた

ウチはあの子を探した――だけど姿はもうなかった

近くにいた人に聞いたら、終わったらすぐ帰って行ったみたい

あの子と話をしてみたい――ウチの直感がそう告げとった

だけど今日は無理みたい、日を改めるしかないみたいやね

――その後はクラスの人と少し話したりして、そのまま家に帰ったんよ

これがウチの高校生活初日――音ノ木坂での新しいスタートの第一歩

なんにも期待してなかった高校生活にちょっぴりの希望を持てた日

ウチはこの時あの子に――絢瀬絵里と言う人間に何かを感じていたんや





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