7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/05/26(月) 09:09:55.44 ID:3xKP/jN8o
 ……最悪だ。 
  
 冗談や奇跡の類を、期待はせずに聞き返す。 
  
 「え……、マジ?」 
  
 『スタジオ入りにはなんとか間に合うはずだ。先方にも連絡は入れてる。とにかく待ってろ』 
  
 「うん」 
  
 『幸子にも伝えといてくれ。頼んだ』 
  
 「……うん」 
  
 普段の杏からすればスタジオ入りなんて遅れるほどいい、むしろ仕事ごと熨斗つけてあげたいと思うくらいのものだが。 
  
 しかし今、彼女と顔を突き合わせている状況は、普段忌避するそれを望むほど杏にとって気分の重いものだった。 
  
 「……あのさ」 
  
 「……はい?」 
  
 話しかけるこちらの気も知らず、胡乱げな目でこちらを眺める幸子。 
  
 もちろん、満面の笑みで見つめられてもそれはそれでいやなのだが。 
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