過去ログ - 【とあるSS】壊れた窒素と、打ち砕く幻想【改】
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3:K[saga]
2014/05/27(火) 02:54:27.69 ID:miaor/mCo

 暗闇に二つの影があった。
 影の周囲は瓦礫で埋め尽くされ、平坦な場所は一切ない。
 様子を伺うように、瓦礫の隙間から火が顔を出し、周囲を僅かに照らしている。

???「……これから超どうするつもりですか」

 影の一つがもう一つの影に向かって言葉を投げかけた。
 その声はまだ幼い。

???「さぁな。そっちはどうするんだよ」

 もう一つの影が答えた。
 その声もまた幼く、そしてやや刺があった。

???「んっ――」

 答えようとしていた影が、突如吹いた風に言葉を奪われた。
 瓦礫の隙間に隠れていた火が見計らったかのように顔を出し、炎へと姿を変えた。
 目を細め、顔を背けたくなる程に、炎の存在は大きくなっていた。

???「ったく、超嫌な風です」

 言葉を奪われた影――いや、少女が悪態をつく。
 声と同様、炎に照らされた横顔はまだ幼い。
 小学生か、中学生くらいの子だろう。
 肩の部分で切れた橙色のタンクトップパーカーを羽織り、下には白地のシャツが覗く。
 青色のショートデニムパンツを履き、白く細い太腿を晒していた。
 少女と言うより、少年という印象が強いだろうか。
 成長期の途中であると言う事も理由だろうが、起伏はほぼ無く、全体的に細身である。
 被ったパーカーのフードの下からは、焦げ茶色に染まったショートヘアーが収まっていた。
 前髪に隠れた瞳にはどこか面倒臭そうな、まるで周囲にある全てをゴミとしか思っていないような冷めたものを感じさせる。



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