過去ログ - 【とあるSS】壊れた窒素と、打ち砕く幻想【改】
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[saga]
2014/05/27(火) 02:55:34.28 ID:miaor/mCo
???「あのなぁ、絹旗ちゃん。暗証番号って知ってるか?」
絹旗「……私を馬鹿にしてるんですか、黒夜」
絹旗の目が僅かに細められた。
相手を威圧するには十分過ぎる程の殺気が込められている。
しかし、絹旗の殺気を目の前にしたもう一人の少女――黒夜はどこ吹く風と言葉を紡ぐ。
黒夜「暗証番号がわかんねぇなら、そのカードはゴミ同然だろうが」
絹旗「ご心配なく。このカードの持ち主達が、“ご親切”にも超教えて下さいましたから」
絹旗は自身の言葉に口角を釣り上げた。
三日月のような、不気味な笑みであった。
黒夜「ちゃっかりしてんなーおい」
黒夜は関心を通り越して呆れていた。
やれやれと肩をすくめる。
絹旗「よければ一枚差し上げますよっと」
絹旗は黒夜の返事を待たないまま、扇状に広げられたカードの中から適当に一枚抜き、指先に挟んで軽く手首を振った。
僅かなスナップで投げられたカードは空気を裂きながら回転し、黒夜に切り裂こうと迫る。
黒夜「どうも」
しかし黒夜は視線を僅かに動かしただけで、カードの動きを把握し、眼前に迫ったカードを左手の人差し指と中指だけで挟みとった。
絹旗「番号は裏面に記載しておきましたので……ああ、手元にペンが無かったので超汚いですが、そこは我慢して下さい」
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