5: ◆AzQd5RQbFxWA
2014/05/27(火) 17:04:56.68 ID:2jYFvZQ+0
「だったら、だったら、全世界があの子を嫌うようにして!!」
半ば叫ぶように彼女は願いました。影は一瞬固まりましたが、大きく口を開けて嗤いました。
「わかった、よかろう、叶えてやる! 死ぬまで世界に嫌わせるなど造作もない! 明日から楽しみにしておくがいい!」
獰猛な影の牙が見えて、彼女は身震いしました。一瞬、取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれないという不安がよぎりましたが、これからは彼女の時代です。
皆にもてはやされている自分を想像して、彼女は満足げに微笑みました。
「では、また会おう。」
影は消えました。しん、と辺りは静まり返り、先ほどまでの出来事がまるで夢幻であったような心地になりました。
彼女はうーんと伸びをして、静かに眠りの世界へと飲み込まれていきました。
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