過去ログ - 絵里「希と付き合うことになったけど、やだもうお家かえる」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/29(木) 18:15:51.71 ID:d9oKBQfV0
映画を見に行ったり、買い物に行って服を選び合ったり、カフェに行って美味しいものを食べたり。
そんなことは今までも普通にしてきたことだ。

前と変わったのは、触れ合う濃さ、密度が増したということ。私の中で、付き合うということの定義が明確にあるわけではないけれど。
ある友人に、付き合うっていうのは、その人とキスやエッチができるか、と言うことだと言われ、なんとなく納得してしまった。

私は、そこで希を思い描いてしまっただけだ。希は果たして私を思い浮かべてくれるだろうか。



「えりち、お茶どうぞ」

「ありがとう」

「叔父にもらったもんなんやけど、今、静岡からこっちに来てて、そのお土産にって」

「へー……頂くわね」

香り高いものだった。お茶のことは良くわからないが、希の入れたお茶が美味しいのは知っている。
一口、口に含む。喉から胃へと流れていく。どことなく、ほっとした。

「ハラショー」

「くすくす……」

「なによ、希ってば」

「えりち、様になってるなあって」

「なにがよ」

「縁側に座ってるご隠居さんみたいや」

「それは、褒め言葉なの?」

「うん……くすくす」

「ありがとう」

私は片目を閉じて、呆れながらお礼を述べた。しばらく、時間が緩慢に流れていたた。希はいつも通りだった。
いつも通りを装っているのかとも思ったが、それを見抜くことはできなかった。やはり、穂乃果達の思い過ごしかもしれない。

「私な、そうやって味わって飲んでくれるえりちが好き」

にこにこと、希は言った。そう言って欲しくて飲んでる所もあったので、少し後ろめたい。何より、ここに居られる時間も長くなるような気がした。希は私を招くことはあっても、泊めることはなかったから。
キスの続きは、耳たぶをかんだり希の胸を揉んだりで、それ以上には進まない。希は恥ずかしいから、と言う。恥ずかしがる希は可愛かった。

「ねえ、希。今日……」

「ごめんな。今日はちょっと」

「そっか、じゃあ、また今度ね」

言葉を詰まらせないように、その時考えていたのはそんなことだった。時折、希に完全に気を許されていないような気がして、寂しかった。



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