過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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542:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2014/12/18(木) 17:34:03.83 ID:HH2/WTQh0


雪乃に見つめられながら、俺は制作活動に取り掛かる。

材料は、パン粘土と毛糸。これがあれば、なんとなく味がある人形が出来上がるのだが、

雪乃が自身の三杯目の紅茶と俺の紅茶を用意してくれているときに出来上がった人形は、

どうみたってクリスマスを待ち望む子供としては不釣り合いであった。



雪乃「それで完成なのかしら?」

八幡「一応な」



雪乃が顔を引きつらせながら聞いてくるのを、俺も顔をひきつらせて受け答える。

どうしてこうなったのだろうか。



雪乃「怨念がこもっていそうね」

八幡「そこまで年くってないだろ」

雪乃「なら、結婚できなそうね」

八幡「だろうな」



俺達が見つめる先にあるサンタを待ちわびる子供の人形。

期待を胸一杯にして、その時を待っているのがよくわかる。

よくわかるんだけど、・・・なんか待っているのはサンタじゃなくて旦那さんじゃないか?

正確に言うんなら、結婚相手の男性だな。

この人形、我ながらよくできていると思う。よくできているんだけど、どうみても、

平塚先生の幼少期、見た事はないけど、って感じがしてしまう。

俺だけじゃなくて、雪乃もそう感じているのだから、間違いない。



雪乃「一応聞いておくけど、わざと作ったのかしら?」

八幡「んなわけないだろ。まがまがしすぎる」

雪乃「そうよねぇ・・・」



紅茶を一口口に含み、この人形、どうしようかと考えをめぐらす。

めぐらす、めぐらす、めぐらす・・・・・・。

いくら考えたって、答えは一つしかないか。

ここで仲間外れにでもしたら、

本人さえも寂しい一人身でのクリスマスを迎えてしまいそうなのだから、かわいそすぎる。

だったら、快く寝室の出窓に迎え入れるべきだな。

テーブルの上に現れた珍獣を興味深く、いろんな角度から見ている雪乃に

聞いてみることにした。

ここで聞いておかないと、おそらく俺も疑問に思った事さえ忘れてしまうような

小さな事なんだけど、なんだか今聞いておいた方がいいような気がした。





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