過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
1- 20
598:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/01/15(木) 17:29:57.72 ID:2jPBwEpe0

始まって間もないのにどこか眠そうな生徒達の横顔も、

やる気だけは空回りしている由比ヶ浜も、

教室の前の方に陣取っている真面目そうな生徒達も、

先週見た風景と重なっていた。

ただ違う事があるとしたら、俺の期末試験と同じレベルの集中力と

隣で手伝ってくれている弥生の姿くらいだろう。

・・・・・・講義時間も残り少なくなり、あとは小テストを受けるのみとなった。

弥生と予想問題と解答を確認したら、ほぼ同じ内容なのは安心材料なのだが、

実際黒板に問題が書かれるまでは落ち着かなかった。

けれど、その緊張も今は新たな緊張へと変わっていっていた。



昴「おめでとう」

八幡「ああ、サンキューな。じゃあ、また明日」

昴「あせってこけるなよ」

結衣「ヒッキー、頑張ってね」



俺は二人に向かって頷くと、あらかじめ片付けておいた教科書を入れた鞄を手に

教室の前に向かって歩き出す。

試験問題は、ばっちし予想通りだった。

あとは、解答用紙を提出して、全速力で駅まで走るだけだ。

予想通りの設問に興奮状態で席を立ったまでは良かったのだが、

今俺が置かれている状態を予想するのを忘れていた。

いや、ちょっと考えれば誰もが気がつく事だし、気がつかない方がおかしいほどだ。

そう、小テスト開始直後に席を立つなんて、通常ではありえない。

どんなに急いで書いたとしても5分はかかる。

それも、解答があらかじめ分かっている事が前提でだ。

それなのに俺ときたら、誰しもがこいつなにやってるの?って気になってしまう状態を

作りだしてしまっていた。

最初は、俺達がひそひそ声で別れの挨拶をしているのに気が付いた比較的席が近くの

連中だけだったが、教室の通路を歩く俺の足音が響くたびに、俺を見つめる観衆の目が

増えていってしまう。

俺は、まとわりつく視線を強引に振り払い教卓の前へと向かっていく。

一段高い教卓を見上げると、訝しげに俺を見つめる橘教授がそこにはいた。

悪い事をしているわけでもないのに目をそらしてしまう。

ちょっとチートすぎる手を使ってはいるが、問題ない範囲だと思える。

弥生に応援を頼んだのだって、そもそもこの小テストはテキスト・ノートの持ち込み可

だけでなくて、周りの生徒との相談だって可能なのだ。

もちろん授業中であるからして大声を出すことはできないが、

ある程度の会話は認められていた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1496.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice