過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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781:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/04/02(木) 17:34:22.64 ID:RpzwNEHw0
昴「姉さん・・・・・・」



弥生姉弟が軽く視線を交わらすが、俺達は話の腰をおらないように黙って続きを待った。



夕「東京だけではないですが、移動となれば電車ですよね。

  数分おきに来る電車に乗ったほうが車より早く着きますし、高校生となれば

  移動の手段の主役は電車となるのは当然でした。

  しかし昴は、高校3年生になる春休みを境に、電車に乗れなくなりました。

  一応薬を飲んで無理をすれば乗れない事はなかったようですが、

  高校3年の1年間は、今でも夢に見るほど苦痛だったようです。

  なにせ、高校に行くには電車に乗らなければ無理ですからね。

  便利なツールがある分、それが使えないのは苦痛でしかなく、

  しかも人には言えない理由となれば、高校生活も暗くなるのは当然だと思います」



ここまで一気に話きると、夕さんは昴の様子を伺う。

2年前の話であり、昇華できるいる問題とは思えない。

それでも昴の顔には苦痛は見えず、むしろ俺達を気遣っているとさえ思えた。



夕「電車に乗れなくなった原因はパニック障害です。

  昴の場合は電車限定ですが、薬を飲んで無理をすれば乗れる分

  他の人よりは軽かったと言えるかもしれませんが、だからと言って

  正常な生活を手放した事には変わりはないのです。

  きっかけは予備校に通う電車の中で気分が悪くなって倒れ、そして、

  救急車で搬送された事だと思います。

  ただ、なぜ倒れたかはいくら検査を受けてもわかりませんでした。

  昼食で食べたものが悪かったのか、それとも風邪気味だったのか。

  もしくは胃腸に問題があったのか、あとで胃カメラものみましたが、

  結局は根本的な原因はわかりませんでした。

  でも・・・・・・」



夕さんは一度話を中断させ、ティーカップを選ばずに水が入ったグラスを選択して、

冷たい水で喉を潤した。

やはり重い内容であった。聞いた事自体は後悔してはいない。

運悪く面倒な奴と喫茶店で出くわしたなんて思いもない。

ただ、ここまで辛い思いを昴が隠していたことにショックを覚えた。

まだ話の途中だが、昴はどう気持ちの整理をして俺と接していたのだろうか。

俺はなにか無意識のうちに昴を傷つける事をしていなかったかと不安になる。

無知は救われない。知らなかったからといって許される事はない。

むしろ、無知は罪だ。



夕「比企谷君。辛いですか? ここで引き返してもいいのですよ」



夕さんはあくまで低姿勢で、大事な弟よりも俺達他人を気遣っている。


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