過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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820:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/04/23(木) 17:39:31.96 ID:6NGd0T+00

これも口に出していないのに、どうして全員俺の事を睨むんですか。

・・・・・・もう、心まで沈黙しておこうかな。


雪乃「今日二十歳を迎えたからといって、

   すぐには大人としての自覚を持つ事は出来ないでしょうけど、

   もしよかったら私と一緒にこれからも学んでいってほしいと思うわ。

   まだまだ未熟な私たちだけれど、

   こういうみんなが集まる機会をきっかけにお互いの存在をたしかめあっていきたいわ。

   そうやって年を重ねていけたら素敵ね・・・・・・来年も、その先もずっと。

   お誕生日おめでとう由比ヶ浜さん。乾杯」


 雪乃が由比ヶ浜に向けて小さくグラスを傾ける。

柔らかく微笑むその様は、先ほどまで見せていたおどおどした感じが抜けきっていた。

由比ヶ浜が見せる柔らかくも眩しいほどの笑顔につられたのだろう。

 きっと硬いだけの友情は弱い。

けれど、それを包み込む柔らかい緩衝材があれば問題ないって気がしてしまう。

その緩衝材が何かはわかれないけれど、今こうして由比ヶ浜をみていると、

こいつの底抜けに明るい笑顔に俺も雪乃も救われてきたんだよなって、

思わずにはいられなかった。

 俺が雪乃と正面から向かい合えたのも、俺達三人の関係が消滅していないのも、

全てはとはいわないけど、必要不可欠なファクターであることは俺でも理解できる。

・・・・・・まあ、なんだ。きっと今の俺がいるのは俺だけのおかげではない。

雪乃や由比ヶ浜、小町に平塚先生。

他にもちょっとばかし関わってくる奴らがいてこその俺なのだろう。

だから由比ヶ浜。こんな俺とつるんでくれてありがとよ。声に出しては言えないけど。

・・・でも、これだけは声に出して言っても恥ずかしくはないはずの言葉を

俺は由比ヶ浜に送る。


八幡「由比ヶ浜、誕生日おめでとう」


 俺は恥ずかしい気持ちを押し殺して由比ヶ浜にしっかりと届く声で伝えた。

 その時ちらりと四人の顔がほころんだのは気のせいだろうか? 

もしかしてこの心の声までも読まれてはいないよね?

 俺は火照る頬を隠すように俯き、わざとらしく携帯の画面を確認する。

一応さっきメールきてみたいだし、乾杯終わったからいいだろう。

 俺は画面をクリックしていき目的のメールを表示させる、

そこには陽乃さんから短くて簡潔なメッセージが記されていた。


陽乃「誕生日会の後に連絡します」


 あまりにも簡潔なメールがどこか温かい現実とはかけ離れていて、

俺は体温が下がっていくのを実感できた。



由比ヶ浜結衣誕生日(後編) 終劇

次回は第47章に戻ります



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