過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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835:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/04/30(木) 17:34:54.21 ID:X2mOQ2ue0
雪乃はとくに表情を変える事もなく、淡々と悲しすぎる事実を述べあげていく。

その淡々と口にするその瞳に、少しばかり嬉しそうな光が宿っていた事は、

俺や陽乃さんくらいしか気がつかない事だろう。


八幡「わぁったよ。もういいよ」

雪乃「ええ、理解してくれたのならば、もう何も言う必要はないわね」


雪乃は上品に笑顔を作りあげると、最後にもう一度くすりと笑ってこの話を締める。

だが、今回は俺達二人だけではないということを雪乃は失念していた。

目の前に二人も観客がいるのに、雪乃は雪乃らしくいつも通りに俺に甘えてしまった。

だから、目の前の観客の受け取り方は人それぞれではあるが、

雪乃が観客の視線に気がついてしまえば、

照れて体を委縮させてしまう効果は十分すぎるほど備えられていた。


夕「仲がよろしいのですね」

昴「そうだね。いつも一緒にいる由比ヶ浜さんでさえついていけない時があるみたいだよ」


由比ヶ浜についてはこの際どうでもいいことにしよう。

付き合い長いし、今さら意識して隠したって、既に知られてしまっていることだ。

だから、気にしたって意味がない。

しかし、夕さんに関しては別である。

いくら昴の姉であっても、会って話をしたのがこれで二回目であるし、

雪乃においては初対面でさえあった。

そんなほぼ初対面の相手に、こうまでも雪乃が警戒心を解いて素に近い言動を

晒してしまうだなんて、これはある意味異常事態だといえた。

これはおそらく弥生姉弟が持つ雰囲気が影響しているはずだ。

この姉弟はどことなく無意識のうちに話しやすい雰囲気を作り上げる傾向がある。

これが詐欺だったら問題ではあるが、俺に詐欺を働いても利益など得られはしないだろう。

まあ、雪乃相手であれば、雪ノ下の財産を狙うという自殺行為でもあるわけだが、

詐欺師相手に命の大切さを説くなど必要はない。

・・・陽乃さんに、その母親たる女帝。

親父さんもこの前の事で陽乃さんに近い存在であると、

性格そのものというよりは策略家という意味で、わかったわけで、

その怪物たちが住む雪ノ下に手出しをするなんて、

はっきりいって自殺行為としか思えなかった。

なんて、俺が頭を冷やすべく現実逃避をしていると、

雪乃が俺に助けを求める視線を送って来ていた。

しかし、その雪乃の視線さえも恋人たちのアイコンタクトには違いなく、

さらなる温かい視線を加算する行為にしかならないでいた。

そして雪乃は自分の自爆行為に気がつくと、

さらに顔を赤くして、俯くしか取れる手段は残されていない。

とりあえず落ち着きを取り戻そうとしている雪乃は、

氷が溶けきった水をゆっくりと何度も口元に運んで頭の再起動を始める。

目の前にいる弥生姉弟も俺達を冷やかす気などさらさらないようで、

雪乃と俺が話に復帰できるのを黙って待っているだけであった。


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