過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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883:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/05/28(木) 17:29:53.14 ID:3eiwQNEj0

第51章



雪乃「それで結局なぜ由比ヶ浜さんには話さなかったのかしら?」


 雪乃の問いももっともだ。昴も夕さんも同様の意見のようで俺の言葉を待っていた。

たしかに橘教授の印象の話題ばかりを話していて、まだ肝心な事は話してはいない。 


八幡「ああ、それな。別に話しても俺の方がうまく調教……、もとい家庭教師の方をしっかり

   やれば問題ないんだが、まあ端的にいえば気を緩めて欲しくなかったんだよ」

雪乃「というと?」

八幡「今回の小テストも由比ヶ浜の出来は悪くはなかった。それに他の教科も調子がいいしな」

雪乃「それはいいことじゃない? 

   でも、調子が良かったとしても由比ヶ浜さんがさぼりだすとは思えないのだけれど」

八幡「俺もそうは思うんだけどよ。なんだか橘教授に指摘された事がちょっとな……」

雪乃「というと?」

八幡「俺と昴の点数はどちらもほぼ満点だったが、論述の構成というか話の流れってものが違う。

   たしかに似たような答案にはなるが、いくら書く要点が同じでも論述であれば

   全く同じ答案が出来上がる事はない。」

雪乃「それはそうね。同じ人間が書いたとしても、全く同じ論述はできないもの」

八幡「それがだな、俺と由比ヶ浜の答案は似てたんだよ。雪乃は評価の方ばかり気に

  していたけど、俺はむしろ答案の中身の方が気になってた。まあ、由比ヶ浜の答案は

  あいつらしくいくつかポイントが抜け落ちていて減点をくらってはいたけどな。

  それでも雰囲気っていうか話のもっていきようが似てたんだよ。だから、その……なんて

  いうか雪乃の言葉を借りると、学力には違いがあっても同じ人間が書いたって感じかもな」

雪乃「まさか?」


 昴も夕さんもわけがわからないっていう顔をしている。それもそのはずだ。

俺の言葉なのに俺自身がその言葉に自信を持てないでいる。困り果てている俺に、

目の前の二人は辛抱強く俺の言葉を待っていた。


雪乃「そうね、八幡の言葉をそのまま捉えると……、つまりは単純な事じゃない」

八幡「雪乃?」

雪乃「だから答えは単純な解だってことよ」

八幡「どういうことだよ?」

雪乃「つまり、八幡は由比ヶ浜さんの成長を喜んではいるのだけれど、でも心のどこかで

  自分が抜かれる事はないってうぬぼれているのではないのかしら?」

八幡「そんなことは……」

雪乃「ないとは言い切れないのではないかしら? たしかに由比ヶ浜さんは覚えるのが

  苦手で、なかなか勉強の効率が上がらないわ。でもそれは八幡も似たような経験をして

  きたのではなくて? そして今由比ヶ浜さんは伸びている。以前の八幡のように、ね」

八幡「……どうだろうな。雪乃の言う通りかもしれないけど、俺は由比ヶ浜が俺の成績を

  超えても一カ月はへこむけど、俺の将来に影響はない。だから気にしないと思うぞ」

夕「気にはするのね」

昴「気にするんだ」



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