過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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885:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/05/28(木) 17:31:44.81 ID:3eiwQNEj0

逆を言えば、常に俺に勝ち続けているとも言うが……。まあ、それ以上は聞かないで下さると

大変嬉しいです、はい。いつもの俺達の雰囲気になってきた感もあるわけだが、いつもの

ように雪乃が頬を染めてくれるのを確認でき、俺も気持ちが弾んでしまう。

ともかく雪乃も俺が浮かれているのを見て喜んでいるんだから、お互い様なんだろう。


雪乃「しょうがないわね。八幡が私の料理を食べたいのだったら、作らないわけにはいかないわ」

八幡「ああ、たのむよ」

雪乃「ええ……。でも、プリンだけは八幡に勝てないのよね」


 俺はまだ何をなにを今から作るかなんて教えてないのに、どうしてわかるんだよ。

といいつつも、テーブルの上にある材料が牛乳、タマゴ、砂糖、バニラエッセンスときて、

今までの俺のレシピからすれば、当然の推理か。当然雪乃の推理は正しいわけだが、

ここは意地悪して茶碗蒸しでも……、って、どうして俺のお馬鹿な反抗がわかってしまわれる

のですか? 雪乃の眼光が一瞬だけ暗くひかり、俺の邪な野望を打ち消すと、

いつもの温かい視線へと戻っていった。


八幡「小学生のころから作ってたからな。まず、年季が違うし、なによりも執念が違う」


 とりあえず俺は、雪乃の言葉に対して素直に返事をしたはずなのに、

どうして首を傾げて訝しげに見つめてくるんでしょうか?


雪乃「年季が違うのは認めるのだけれど、執念が違うとは意味がわからないわ」

八幡「雪乃はお嬢様だからな」

雪乃「その言いよう、鼻に付く言い方で好きではないわ」

八幡「厭味でいったんじゃない。事実を言っただけだ」

雪乃「よりいっそう不快感が増しただけなのだけれど、もしかしてわざとやっているのかしら?」


 素直になれっていつも小町に言われているのに、それを実行しただけなのにどうしてこうも

禍々しいオーラが噴き出てくるんだろうか? 小町の言う事が間違っているはずもなにのに、

八幡わけわからないんだけど……。俺がひるんだすきに雪乃は俺が逃げないように自分の腕を

俺の腕に絡めてくる。ふわりとくすぐる甘ったるい雪乃の香りと温もりを打ちすように下から

見上げてくる眼光は俺を極寒の地へと誘った。時として事実をありのままに言うのはよくない

とわかっているが、雪乃が求める答えを説明するには、その不快感を含まなければ事実を

伝えられない事もあるのも事実である。物事なんて小さな事実の積み重ねだ。その小さな事実

を一つ引っこ抜いてしまうと、言いたかった物事のニュアンスが違ってしまう。

 だから俺は悪くない……、と心の中だけで反論することにする。けっして雪乃が怖いわけ

ではない、はずです、たぶん。……ごめんなんさい、だからなんで雪乃は俺が考えていること

がわかるんだよ。俺の腕に爪跡がくっきり残るくらいつねりあげると、

雪乃は極上の笑みを浮かべてきた。


八幡「じゃあ、気にするな」


 けれど、顔から下の攻防などないかの如く俺達の会話は続く。これが熟年カップルの生態と

いうのならば、今のうちに俺達の方向性を修正すべきだと固く誓った。


雪乃「まあいいわ。それで、執念が違うとはどういう意味かしら?」

八幡「雪乃は学校から帰って来て、おやつが用意されていなくて困った事がないだろ?」


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