過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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897:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/06/04(木) 17:31:07.06 ID:iz7F8BaJ0

八幡「料理ってものは食べてもらう人の好みに合わせて作るもんだろ? だから俺に食わせるん

  ならカラメルソースなしが基本だ。でも小町はカラメルソースが好きなんだから、それに

  合わせるのが料理をする上の心構えってもんじゃねえの? いくら料理の腕があっても、

  食べてもらう人がその料理が苦手だったら、いくら世界で活躍する有名シェフが作る料理で

  あっても美味しいとは思わんだろ?」


 俺の予期せむ真面目すぎる反論に、雪乃は目を白黒とさせてしまう。俺の方も自分がまとも

すぎる内容を偉そうにのたまってしまったことに若干恥ずかしさを覚えていた。


雪乃「ごめんなさい」


 雪乃は小さくそう呟く。小さな体より小さくしぼんで見えてしまう。しゅんっとしたその姿に

愛おしさを感じてしまうのは、俺に変な性癖があるわけではない、はずだよ?

 俺は手が汚れているので、肘をうまく使って雪乃を抱き寄せる。うまくは抱き寄せられは

しない。でも、出来ない部分は雪乃が自分から補ってくれた。


八幡「俺の方こそ偉そうなこと言ってごめん。雪乃が毎日作ってくれる料理も、

  俺の好みに合わせてくれてありがとな」

雪乃「いきなりね。でも、感謝されるのもいいものだわ。また小町さんにお料理を

  教わらないといけないわね」

八幡「小町も料理教えるの楽しみししているってよ。それに小町の方も、

  雪乃から教わるのも期待しているらしいぞ」

雪乃「そう? でも私の料理は本に書かれているレシピ通りにつくっているだけよ。

  それでもいいのかしら?」

八幡「いいんじゃねえの? 一緒に作る事自体を楽しいでいるみたいだしさ」

雪乃「それでいいのなら、私も楽しみだわ」


 俺からすれば事前予想の通り小町と雪乃はうまくいっている。雪乃の方は初めこそ身構えては

いたが、最近ではその堅さも抜けてしまっていて、本当の姉妹って感じさえ漂わせていた。

 ま、俺はそんな仲がよろしい姉妹のお料理を眺めてニヤニヤしているだけなんだけどな。

あまりニヤつきすぎていると、ヘルプ役として怒涛のごとくこき使われるんだが。

……いや、いいんだよ。俺も一緒に料理ができて、と公式見解を述べておこう。


八幡「そういや実家にはラ・グルーゼみたいなお高い鍋がなかったから土鍋を使って作っていた

  けど、ラ・グルーゼは保温性が高いからすごいな。最初は湯銭するにもどのくらい湯銭すれ

  ばいいか手探り状態だったからな。今ではようやく慣れてきたが、最初は今までのデータが

  使えなくて失敗しまくって、実家から土鍋かっぱらってこようかと思ったほどだ」

雪乃「あれで失敗なの? たしかに多少はすが入ってしまってはいたけれど、十分美味しかったわ」

八幡「すが入った時点で失敗だが、そうじゃないんだ。

  俺が求めるプリンの堅さじゃなければ失敗作なんだよ」

雪乃「意外とこだわりがあるのね」

八幡「そうでもないぞ。うまいものが食べたいだけだ」

 雪乃も料理への情熱があるものとばかり思ってお誉めのお言葉を述べた用であったが、

その情熱の方向性が食欲だとわかると、次に用意してあっただろうお誉めの言葉を廃棄処分し、

残念そうに俺を見つめるだけだった。



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