過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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942:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/07/02(木) 17:32:38.67 ID:vFj3VvPa0

八幡「料理が冷める前に食事にしようって話ですよ」

陽乃「そうね。せっかく作ったんだし、早く食べましょうか」

八幡「ですね」


 デザートの話なんかしてやるもんか。


陽乃「で、食後のデザートはどうする? お勧めは雪ノ下陽乃だけど」


 ですよねぇ……。都合よく忘れてくれるなんて思っていませんよ。

 食欲を掻き立てる食事の臭いが鼻をくすぐる。きっと数秒後には胃も騒ぎ出し、

みっともない音を鳴らしまくるはずだ。そのみっともなさまで要求され、

俺の心はいつも見透かされてしまう。

 いつだって数歩以上も先を優雅に歩き、俺はその後ろ姿に惚れてしまう。

 届かないからこそ美しい。後姿だからこそ身勝手な理想を押し付けられる。

 彼女に追いつき、その横顔を見た瞬間に、俺は現実を知るのだろう。

きっと現実を見ない方が幸せなはずだ。俺も、そして彼女さえも幸せなのかもしれない。

しかし俺は望む。彼女の隣に立つ事を望む。

そして願わくば、彼女の半歩前を行き、彼女の手を引きたいとさえ望んでしまう。

 きっと彼女も…………。


八幡「雪ノ下陽乃の手料理でしたら、いつだって、なんだって喜んで食べますよ」

陽乃「なんでも? ほんとうに無条件に食べるの?」

八幡「ええ、たとえデザートに雪ノ下陽乃自身が出てきたとしても、俺は喜んで食べますよ。

  むろん俺流の食べ方で、ですが」

陽乃「言ってくれるわね」

八幡「食事って、目で楽しむ部分もありますよね? だったら実際には手をつけずに、

  目だけで楽しむってことも許されるはずですよね? あとは臭いだけを楽しむとか?」


 俺のあくどい提案にまじ引きの陽乃さんは、相変わらずの笑顔で俺の提案を吟味する。


陽乃「もしかして八幡って、雪乃ちゃんにアブノーマルなことをさせてる? 

  臭いだけとか、見るだけとか……」

八幡「してませんからっ!」


 どんびきするとは予想外だった。陽乃さんに手を触れないで場を収める方法もあるって

主張するつもりが、斜め上方向にすっとんでないか? しかも俺に苦痛を共わせて。


陽乃「まあ私はこう見えても生娘なわけだし、そりゃあ経験豊富な八幡が普通だと思っている

  ようなことなんて判別できないわね。……あっ、このくらいならふつうのスキンシップだと

  言ってせまったりしないでしょうね? もちろんウェルカムだけど」

八幡「うれしそうに誘わないでくださいよ。……それと、

  もちろん経験がない人でも判別できるくらいノーマルな事しかしてませんから」

陽乃「あら? 純情で無知な気娘に、夜のお話なんて……」


 よよよって恥ずかしがらないでくださいよ。演技だとわかっていても気恥ずかしい。

 俺も何言っちゃってるのってわかっているから余計たちが悪い。




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