過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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黒猫
◆7XSzFA40w.
[saga]
2015/07/23(木) 05:19:36.89 ID:G6XbfMQl0
つまりこれは、あれ、だよな? あれだ、あれ。鈍感主人公の必殺技の一つ。ナチュラルに
フラグをたててしまうという、電光石火の口説き文句(主人公にはその気はない)。
八幡「すいま……」
陽乃「それでいい。ううん、それじゃないと駄目。もう決定。いまさらすみませんっていったら
泣く。リテイクなんてしたら泣き叫ぶ。もちろん適当にごまかそうなんてしだしたら、
お母さんにいいつけるから。あることないこと、あることを誇大表現して、
ないことをなかったことにして嘘をつくから」
いや、いまはっきりと嘘って言いましたよね。嘘はいけないでしょ。
つーか、俺の方が泣いちゃうかもしれませんよ。
手遅れだと断言できるけど、一応命をかけて間違いを訂正すべきだよな。死ぬけど……。
八幡「あの、ちょっと一部訂正すべき部分があ……」
陽乃「なにかしら?」
俺の瞳には、これもまた見た事がある見たくはない表情が収まっていた。
雪乃のパターンでいうならば、これ以上の譲歩は認めないという笑顔の拒否。
雪乃は凍てつくプレッシャーで俺を動けなくしたが、陽乃さんのはちりちりと肌を焼く熱波が
俺をなぶり殺そうと残酷な準備を始めていた。
どちらが楽かなんて考えたくはない。一瞬で死ぬか、じっくり死ぬかなんて考えたくもない。
だから俺は、こういうしかないじゃないか。がちがちに本心を包み隠した言葉をさ。
八幡「訂正する部分があるわけ、ないじゃないですか〜。陽乃って呼んでいいですか?
雪乃も呼び捨てで呼んでいますし、陽乃さんも」
陽乃「ん?」
ぴくりと跳ね上がる整った眉に、俺は即座に訂正をいれる。
八幡「雪乃も呼び捨てで呼んでますし、陽乃も同じ家族じゃないですか。
だったら心の垣根を取り払って呼び捨ての方がいいかなぁって……、どうでしょうか?」
陽乃「うん、それがいい。うん、決定」
八幡「あ、でも、二人っきりの時限定でいいでしょうか?」
だからぁ……、眉を吊り上げないでくださいって。すっごい美人さんが本気で怒ってると、
その迫力は眉以上に跳ね上がっちゃうんですよ。
陽乃「はぁ……、ま、いいでしょう。これ以上を望んでもえられはしないのだし。
でも、二人っきりの時はお願いね」
八幡「善処いたします」
嵐は陽乃さんを中心に吹き荒れ、俺を直撃して収束に至る。
きっちりと俺の心をかき乱し、そして俺の目の前にはすっきりした陽が現れた。
当然の結末なのだろうけど、予報なんてできやしない。
わかっていても予報以上のものを突き付けてくる彼女に、俺は靴を放り飛ばす程度の予報なら
当たりはしないだろうけどやってみてもいいかなと、ふと笑みをこぼした。
食事も終わり、本日二度目の映画上映会に挑んでいた。
今回も精神のリソースの大部分は陽乃さんの攻撃を防ぐのに使われている。
それでも俺達をつつむ世界は緩やかな時間を紡いでいく。エアコンの音は外界からの隔絶を
ほのめかし、庭から聞こえてくる虫の鳴き声が夏だという事を伝えてくる。テレビ画面の中は
極寒の南極なわけで、その温度差がなんともいえなく心地よい。
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