過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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996:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/09/10(木) 02:20:12.41 ID:jH3eRuI/0

第62章


八幡「今日はさすがに疲れたな。なのになんで雪乃達は元気なんだよ」

雪乃「八幡はほとんど立っていただけじゃない」

八幡「動かないでいるのもエネルギーを消費するんだよ」

 陽乃さんが運転する車の助手席に雪乃が座り、後部座席には荷物番として俺が座る。
……まあ、朝も同じ座席ではあったが、トランクに荷物を突っ込んで壊れるよりはいいだろう。
 俺達は夕方までデパートに居座り、ショッピングとしては大変楽しめたとおもう。
主に女性陣が、だが。
 一応俺も店を見て回っている時の二人の姿を見て、普段見せないような表情が見られて
楽しめてはいる。高校時代の俺ならば気になっていた天敵たる店員も、ちょっかいばかり
掛けてくる陽乃さんや雪乃の助力もあって敵意を見せることなどまったくなかった。
 その分気苦労も増えてはいるが、不審人物認定されなくなったことはいいことだろう。
店側からしても、不審人物がいたら他の客が入りにくいしな。

雪乃「それもそうね。でも、ベンチで座っているときもあったのではないかしら? 
   店を移動しようと店舗を出たら、八幡がいないときがあったわよね。
   最初はいるくせに、途中から消えてしまうのよね」

八幡「今日は長期戦だったからな。だから省エネを心がけたまでだ。エコの精神は大事だぞ」

雪乃「どこがエコの精神かはわかないけれど、
   文句を言わずに付き合ってくれたことには感謝しているわ」

八幡「そうか? けっこう文句言っていたと思うがな」

雪乃「それは朝店に着いた直後でしょ? それくらいはいつものことよ。
   でも、私と姉さんが見始めてからは言っていないじゃない」

八幡「どうだったかな……」

雪乃「そうだったのよ」

陽乃「……そうね。比企谷君は案外人の心をしっかりと捉えているし、
   心遣いもしっかりしているわね」

八幡「陽乃さんまで持ちあげすぎですよ」

陽乃「そうかしら? だって比企谷君は私たちが楽しんでいるのに水をさすような行為は
   しなかったじゃない。本当にショッピングに来るのが嫌ならば、
   最初の目的のお茶碗を買った後あたりから家に帰りたいと訴えていたはずよ」

八幡「それは違いますよ。諦めて午後も付き合う事にしただけです」

陽乃「本当に?」

 バックミラーから覗かれる瞳が鈍く迫る。いつもの陽乃さんの追求であるはずなのに、
どうも棘が鋭い気がしてしまう。
 だからというわけでもないが、俺はしどろもどろに返事を返すのがやっとであった。

八幡「本当ですって」

陽乃「まあいいわ。でも、ご機嫌取りをしようとしているわけではないとは思うけど、
   相手の気持ちに対して臆病になりすぎるのはよくはないと思うわよ」

八幡「俺には由比ヶ浜みたいに場の空気を読む力なんてないですよ。文句を言わないで
   ついていったのは、俺が雪乃に飼いならされただけじゃないですかね」

陽乃「……そうかもしれないわね」

 「そうかもしれない。」
 本当にそう思ってくれているのだろうか。俺でさえ適当に答えたと思っているのに、
あの陽乃さんが納得しているとは思えなかった。
 でも、これ以上追及する気はないようだ。西日が当たる陽乃さんの表情は赤く染まり、
どんな表情をしているかはわからなかった。
それと同時に、表情が読みとれなくてほっとしている自分がいることに、
俺はショックを覚えていた。

雪乃「姉さん。道が間違っているのではないかしら?」

陽乃「あっているわよ。雪乃ちゃんって方向音痴なのよね。大学では完ぺきだとみんなに
   称賛されてはいるけど、案外致命的な弱点もあるのよね。
   そこが可愛いっていう人も若干一名知ってはいるけど」

雪乃「失礼ね」

陽乃「でも、方向音痴なのは事実よね」

雪乃「それは…………」



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