過去ログ - やはり雪ノ下雪乃にはかなわない第二部(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている )
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998:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/09/10(木) 02:21:19.66 ID:jH3eRuI/0


陽乃「わかったわ。帰ったら言っておくわ。
   でも、最終的には雪乃ちゃんが直接言わないければいけないのよ?」

雪乃「わかってるわ」

陽乃さんの顔をいたって平常で、いつも俺達に見せる表情は崩れてはいない。これが演技だと
は疑いたくはないが、どうしても普通すぎて俺も雪乃もこれ以上の追及は出来ないでいた。
ただ、雪乃を雪ノ下家の仕事に今は関わらせたくないという姉の気遣いならばありえはする。
歯切れが悪いのも、今夜の実家での事を黙っていた事も、雪乃を遠ざけた事さえも、
正しすぎて受け入れざるを得なかった。






7月16日月曜日



 いつもの朝と同じように俺を挟んで雪乃と陽乃さんの核戦争は行われている。
せめて俺を間に挟まずに姉妹喧嘩とも言えてしまうだろう言い争いをやってほしいところだが、
これが朝の微笑ましい日課だと思えば悪くはない日課だと思えてしまっていた。
 雪乃も陽乃さんも本気で相手を叩きのめそうとしているわけでもないし、俺が口を挟むべき
でもない。ただ、何も知らない第三者が聞いたら鳥肌がたつ内容ではあるけれど……。

八幡「昨日の帰りは道が混んでいるようでしたけど、帰りが遅くなって何かいわれませんでしたか?」

陽乃「あら? 比企谷君は優しいのね。雪乃ちゃんとは大違い」

八幡「そうでもないですよ。昨日家に着いてから雪乃が心配していたんですよ」

雪乃「八幡っ」

 たしか内緒だったけな。……すまん。あとで1時間のお説教うけるから勘弁してくれ。
俺を一睨みした雪乃はこれ以上の被害を出さない為か、すぐさま白旗をあげ、素直に認めた。

雪乃「まあいいわ。私達を送ったせいで姉さんが遅れたのならば申し訳ないと思っただけよ。
   さすがの姉さんもお母さんの小言を聞きたくはないでしょうし」

陽乃「大丈夫よ。雪乃ちゃん達を送って行った時は帰りの道は混んでいるように見えたけど、
   ちょうどタイミングが良かったせいか、それほど渋滞には捕まらなかったわ。
   だからお母さんにも何も言われなかったわ」

雪乃「ならいいわ」

 朝から過激なコミュニケーションをとる奇妙な姉妹だとは俺でも思う。
けれど、その姉妹の絆は世間の兄弟姉妹以上に強固なのだろう。
 上辺だけの絆ならば必要以上に関わろうとはしない。学校であろうと、職場であろうと、
ましてやそれが家族であっても、必要な時だけ関わり合いを持って、
あとは無関心を貫くのが人間関係を円滑に送る処世術だ。
だから、雪乃と陽乃さんの関係は一見過激であろうと、仲がいい証拠なのだと俺は思っていた。



 昼休み。今日もいつものように弁当会が行われる。
ただ、いつもと違うところがあるとしたら、それは陽乃さんがいないことだろうか。
 陽乃さんは大学院生であるし、院の方を優先しないといけない事もある。
 雪乃によると、なにか教授に頼まれた事があり、これから忙しくなるそうだ。
 優秀な陽乃さんの事だ。教授にも頼りにされているのだろう。
俺は面倒事を押し付けられるのは嫌だが、教授の目にとまっておけばなにかしらの
コネができるかもしれないか、と思うくらいであった。
 そして放課後。陽乃さんの相当忙しいらしく、帰りはハイヤーで帰る事になった。







7月18日水曜日



月曜日の帰りは陽乃さんはハイヤーで帰ったが、翌朝はいつもの通りに俺達が迎えに行った。
まあ、英語のDクラスの補習は今でもやっているわけで、
その手伝いをしてくれる陽乃さんを迎えに行くのは当然とも言える。
 ただ、院のほうが忙しいのならば無理に手伝わなくてもいいと言った時、
なにか寂しそうな表情を見せたのは見間違いだったのだろうか。
 その表情も一瞬であり、すぐさま笑顔に塗り替えられていく陽乃さんの表情に、
その時の俺は全く心にとどめておく事すらできないでいた。
 しかし、今朝のメールを見れば、俺であっても気がついてしまう。



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