28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/05/29(木) 20:11:07.64 ID:jPxrNCQ30
「ごめんなさい、寂しい想いをさせてしまって」
荒木の頭を撫でながら鷺沢は続ける。
鷺沢を襲う文字列の侵食は、ずるずると這うように目元まで進んでいた。
苦痛があるのか、表情を辛苦に歪める鷺沢。
「約束します。あなた達は私にとって大切なお友達です。ずっと、大事にしますから」
だから、と。
「こんな悲しいこと……しないでください。寂しかったら、いつでも私がお相手しますから」
荒木、もとい背紙魚は反応する素振りも見せずに鷺沢の言葉を聞いているように見えた。
すると、
「…………」
「あ…………」
二人を覆う文字の羅列が身体から引き、再び数百の蛇のように形を成し、ずず、と這いずる音を立てて元の本へと還って行く。
「は……はは……」
大した奴だ。
怪異を説得しやがった。
僕は急いで駆け寄ると、今にも崩れ落ちそうな二人の身体を支える。
「凄かったよ鷺沢、お疲れ様」
荒木は気絶したままだったが、顔色の悪さは元々だし呼吸も落ち着いている。
恐らくは大丈夫だろう。
「プロデューサーさん……」
「今度、荒木も一緒に神保町の古書店を巡って、カレーを食べて帰ろうか」
「……からいのは、苦手です」
鷺沢は額に汗を浮かべながらも、笑顔を見せてくれたのだった。
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