過去ログ - 私「その腕が大好きだっ!」少女「気持ち悪い!」
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◆bZ4I4TB4eY
[saga]
2014/06/18(水) 20:43:47.73 ID:ZmPES5Z80
空はまるで鮮血のように暖かい赤色をしていた。
満月が登ったら真っ赤に染まってしまう事を危惧できるくらいに、紅い。
場所は大して大きくもない、種類種別や品種科目にもバリエーションは少なく、
友人に歩きながらどうしてここに来たのかと訪ねた事から、しっかりと私の脳細胞は記憶していた。
逆に、私が自分から入場料を払ったのかどうかは覚えていない。
つまり、この時この瞬間この一刹那――、私はその男に出会った――出遭った。
どうしてこの夕暮れ時の、それなりに繁盛している(この頃はまだ、である)、
人混みの多い中で、――家族や学生、老人の姿を目にすることはあまりないが、
恐らく一分は居るだろう、わざわざ自分が不審人物だと教えるような、
そんな格好をしているのだろう、――と、私が考えている隙に、
夕暮れの日の光に反射し、ぎらぎらと妖しい反射光を表面に映し出す何かがあった。
私の生活では見ることは両の手で数える程しかないだろう。
刀身を真っ黒に塗ったナイフ――反対にその柄が真っ白だったが、
滑り止めのような役割があるのか、白銀の布が乱雑無造作に巻かれているだけだった。
瞬時にそれが系統はなんであれ鋭利であり尖鋭であり、
先端恐怖症でなくとも危険だということが一目瞭然に解る代物だったのだ。
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