過去ログ - 咲「イったらおしおきだって言ったのに……」菫「す、すまん……」
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2014/06/12(木) 00:14:10.06 ID:S+FZS7ID0



【―照 side―】



菫がいつもとは違う。いや、いつも通りだからおかしい。

「菫、なんなの、コレ……」

私の声は情けなく震え、語尾は言葉になっていなかった。

「なにって、手錠だよ」

「そんなの、見たらわかるよ!」

私は両手を拘束している手錠をがちゃがちゃと鳴らしながら抗議の声をあげる。

「こらこら、痣になっちゃうだろ」

この異常な状況下で、いつも通りのやさしい菫であることに大きな不安を覚える。

「弘世さんこれはどういう……」

咲も同様に手錠をがちゃがちゃ鳴らしながら、細い声で尋ねる。

「好きなように生きようと思って」

穏やかな優しい声。しかし、その穏やかさがこの空間では、なによりも異質なのだ。

「どっちも大切なら、どっちかなんて選ぶ必要ないじゃないか。そうは思わないか?」

だれに語りかけているのか分からない、独り言に近い問いかけ。

だけれども、菫は満足そうにうんうんと頷いている。

「それに――」

一瞬、間があいて、

「三人で、っていうのも興味がないわけじゃないし……」

菫の照れた表情とセリフが全くもって噛み合っていなかった。





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