過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/01(水) 01:00:22.72 ID:pQGk8Z2w0
教師「……というわけだ。私はこれきり、この件に――お前の家の事情に関われなくなった」

生徒指導室の一角で、教師は目を伏せて言った。とても顔を上げて、少女の目を見て話すことができない。

教師はうなだれて少女の言葉を待った。机の角あたりにじっと目を落とす。教師の耳が小さな音を捉えて、少女が息を吸う音かと身を強張らせた。しかし、衣擦れに似たその音は断続的に続いている。

すぐに雨だと気が付いた。顔を上げて横を向けば、カーテンを引いていない窓からは外の様子がよく見える。
水滴が地面を打ち付ける音がする。脳裏に描いた光景はどこか痛ましかった。天を遮った黒雲が大地を打ち据え、穿つことで屈服させようとしているようで、教師は居たたまれなさを感じた。

できることなら耳を塞いでしまいたいが、まさか少女の目の前でそんな醜態を晒すわけにもいかない。それでも見ていられなくて、教師は窓の外を視線から外した。

少女「……そうですか」

唐突な声に、思わず教師は顔を上げた。少女がこんなに冷たい声色になったことは今までなかったのだ。
少女はうっそりと笑う。人智を超えた美貌は、かんばせを冷笑に歪めても損なわることはなく、むしろ凄絶さを増してさえいた。

細められた瞳は研ぎ澄まされた刃となって教師を射抜いた。その瞳に、教師は燃え盛る焔を見た。容赦の無い冷徹な声音を前にして、教師はいっそ叫び出したいほどの恐慌に襲われたが、教師の喉は引きつけたように呼吸すら満足にできない。



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