過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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158:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/07(火) 19:32:53.26 ID:6o+8Z5aP0
しかし彼女の不在は、教室の変調を牽制するには好都合でもある。
意識して語調を鋭く、授業参加の義務を説く。そのなかで、生徒が教員の指示に従わない場合の措置について、脅しの意味を込めて言及した。

――必要なら臨時の保護者会や懇談会を開催する。

そう言ったとき、ひとりの生徒が大きな声で笑った。教師以外は死に絶えたように静かだった教室に、乾いた笑い声は場違いに浮いた。

教師「どうした」

教師が目を向けると、待っていたと言わんばかりに更に大声で笑った。投げ遣りな響きのある笑声は、しばらく待つと唐突に止む。
せせら笑いを顔に張り付けて生徒は立ち上がった。椅子と床が擦れる耳障りな音、それに負けないほど不愉快な、人を馬鹿にしきった調子で、聞かれもしないのに勝手に生徒は喋り出した。

生徒「さっきから、授業は黙って聞けとか、嫌なら親呼び出すとか好き勝手言ってるけど、お前いったい何様なんだよ? あ? お前そんなに偉いのかよ?」

そこで不自然に言葉を切った生徒に続きを促すと、生徒は当惑した表情を見せて口ごもる。少しでも自分の思った通りにいかなくなると途端に動揺してしまうあたりが、幼さというものなのだろうか。

ため息をついてみせて、教師は仕方なく手助けをしてやった。

教師「お前が私を嫌っているのはわかった。だが私はお前の担任で、お前たちの授業態度や生活態度に関して指導する立場にある。お前の行動は、学校の授業中には許されないことだ。私以外の誰でも同じことを言うだろう。もし自分の行動が正しく、私が間違っていると思うなら、自分のご両親にでもそう言ってみたらどうだ?」

言うと、生徒はたじろぐふうを見せた。唇を噛んで教師を睨む生徒を、気のない様子で見遣る。

教師「まだ言いたいことがあるなら言いなさい。ないなら座りなさい」

その瞬間、生徒はにやりと笑った。生徒の浮かべた笑みが、脳裏に残映する副担任の嗤笑と重なった。自分の言葉に相手がどれだけ衝撃を受けるかと、憎む相手の不幸が成就することを喜ぶような暗い愉しみ。

教師の背筋をひやりとしたものが撫でた。



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