過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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[saga]
2014/10/18(土) 22:55:31.85 ID:OH0uup+60
そもそも人倫の基は他者への自己投影である。思いやりも何もかも、人間性の本質は、他者に自己を投射して「自分ならどうか」と想像することにある。
他者への共感性、想像力の涵養こそ教師の教導すべき人道である、と教師は任じてきたが――ここに見落としていた論理の矛盾がある。
他者への自己投影を人道とするなら、人は自らを通してのみ他者と関わりあえるということになる。自分の内側にないものを他人の中に見出すことはできないのだ。
副担任だけでなく、教頭も主任も母親も誰も彼も、かの少女への求愛に奔走しているのだ。教師の言動は、自己欺瞞を孕みつつも全てが嘘だったわけではないはずだ。だが、彼らが教師の胸の裡に、自分たちの同質のものしか嗅ぎ取れなかったのも無理からぬことではないか?
一体どうすれば自分の考えを理解してもらえるのか、教師には何もわからなかった。
ざり、と砂利を踏む音が耳に障った。足裏に違和感を覚えて足元を見ると、教師は教室用のスリッパ履きだった。外靴にも履き替えずに廊下に突っ立っていたのか、と失笑した。
なんて無様なのだろう。自分の間抜けっぷりが情けなく、憤ろしかったが、それさえも突き抜けて、倦怠感に似た感情が胸に満ちた。
重い手足をぶら下げて虚脱したように見つめる廊下は、蛍光灯の無機質な光だけを光源として、ひどく寒々しかった。外を見れば、やはり太陽が見えない。夜の帳も落ちていないのに陰鬱な天気は、あるべき初夏の陽気を一切奪い去っている。
教師はどこかに光がないか茫洋と見つめたが、地に差す温かな陽光は一条すらも見つけられなかった。
そして日が落ちてしまえば、暗転した世界には二度と光明は昇らないのだ。
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