過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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198:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/25(火) 23:02:16.15 ID:fIC5yJ+l0
胸の中に深い穴が空いたようだった。絡まり付く思考を振り切ろうと、ベッドに倒れこむ。
だるい手足を投げ出して、深く息を吐いてみると、漠然としていた感情が言葉になった。

自分はなんて愚かだったのだろう。

教師以外の息遣いがないここから一歩でも外に出れば、そこは嵐の只中だ。
たなびく黒雲、その巨大なシルエットを閃光が照らす。――雷鳴! 轟音に竦む背を雨が叩く。教師が進めば進むほど、雷雨は烈しさを増して教師を襲った。

ついに万策尽き、ぬかるむ泥に膝をついたとき、教師の傍らには誰もいなかった。後にも先にも教師に味方はなく、教師は謂れのない罪を擦り付けられてすべてを失った。

――なぜだ、と叫ぶ声を身の内に聞いて、我ながら苦笑が漏れる。性懲りもなく、教師は『なぜ』と繰り返している。

いくら問えども答えはなく、教師が何かをするたびに周囲からの風当たりは強くなった。
教師と周囲は決定的に決裂してしまった。教師は彼らの作る輪の中に入れなかった。輪の中に入るためには彼らの同胞となる必要があったが、彼らの振る舞いは教師にとって許されない背徳だった。

にもかかわらず、彼らは教師を糾弾した。罪の所在は明らかだったが、彼らは自分たちの罪を一方的に教師に覆い被せた。

自分に向けられた悪意の大きさに、今さらながら慄然とする。なにが彼らをそこまで駆り立てたのか、その答えを教師は見つけられなかった。
だが、教師には、彼らの敵愾心を膨れ上がらせる何かがあったのだ。それが、教師が周囲すべてを敵に回し、憎悪と嫌悪を集めた理由のはずだ。

だが、教師にはどうしても、自分が間違っているとは思えない……。

と、玄関のチャイムが鳴った。



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