過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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248:名無しNIPPER[saga]
2015/02/12(木) 02:42:58.71 ID://0Asuli0
少女「彼らは、自分で自分のことを決めたくはなかったのです。学校から離れたいわけではなかった。学校という箱に押し込められるのは窮屈だけれど、それはそれで仕方がない。でも、腹が立つから、教員の言うことは聞きたくない。それで教員よりも優位に立てるなら、なお良いでしょう」

少女「だから畏れたのです。先生は当たり前のような顔で、彼から学校を取り上げようとなさいました。望まないのならば与えない、その当然の論理を、先生は実行しました。このままでは学校から排除される。だとすれば、彼らはどこに行けばいいのでしょう?」

教師「それは、フリースクールだとか、保健室登校と言う手立てもある。教育課程もクリアする方法はあるし、日本では認められていないが、家庭教育で補うということも出来る。これには裁判などで権利を争う必要もあるが――」

少女「ですから、そういうことではないのです。彼らにとっては、学校という社会は当然のようにそこにあるものなのです。彼らがどんなに放埒に振る舞っても、学校は彼らを拒絶しない。だから、それを失いかねなくなって、彼らはどんなにか不安に駆られたでしょうね?」

口ではそう言いながら、少女はくすくすと笑っていた。

少女「彼らは先生に対して従順になるしかなかったのです。そうしなければ、学校から放逐されてしまうから。――そして」

私の存在が、ドミノ倒しの最後の一枚でした、と少女は言った。

少女「先生があの人達に憎まれたのは、私が近づいたからではないのです。それは理由の一部ではありましたが、それ以上に大きな要因は、ほかでもなく先生ご自身に存在します。……本当に、気付いていらっしゃらないのですね」

陰のある笑みを見せた少女は、そっと教師を見やる。

少女「先生は、なぜ私を助けてくださっていたのですか?」

そこに浮かぶ表情の名前を、教師は知らない。



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