過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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268:名無しNIPPER[saga]
2015/03/09(月) 00:00:27.77 ID:06MAS4f40
自分は周囲とは違うと悟ったのはいつからだっただろう。これといった記憶はないけれど、幼い頃から漠然とした齟齬を抱えていたのを覚えている。
人間の赤ん坊が、誰に教わったわけでもないのに立ち上がり、言葉を覚えるように、知能が発達するより先に、私はそれを本能的に理解していたのかもしれない。

だから幼い私にとって、自分に友人と呼べるものが一人もいなかったことは、別に不思議でも何でもなかった。私はごくごく当然のものとして、私と他人との関係が、他人がそれぞれと結んでいる関係のどれでもないことを受け入れていた。

私は常に視線の的だった。声を掛けられることもなく、手を差し伸べられることもなく、ただ視線だけが身体に纏わりついた。髪も目も耳も鼻も、手も腕も腹も背も足も、体中を見えない手でまさぐられているような感覚。それがひたすらおぞましかった。

そのうちに居住まいを正すことを学んだ。だらしない格好をしていると、いつ誰が私に侵犯してくるともしれない。なにより、毅然と姿勢を正すと、周囲の目を跳ね返せる気がしたのだ。

私にとって、この世界は私を脅かすものでしかなかった。いつ牙を向いてくるかわからないここで、私は生きていかなくてはならない。唯一の肉親である母でさえ、私に媚を売るのだから。

――転機は、中学生になったときに訪れた。



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