過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/09/21(月) 04:44:19.16 ID:qNaU4lHn0
「お前には済まないことをしたと思っている」
その瞬間、先生の顔がはじめてはっきり見えた。穏やかな表情は寸分の狂いもない。決して動かない、能面のような――無表情。
「取り返しの付かないことを謝るのは卑怯かもしれない。謝ったところで、何がどうなるわけでもないから。今さらだが、ただ、今のうちに言っておこうと思って」
無表情の裏側には何もなかった。だって、先生の言葉には温度がない。まるで決まりきったことをなぞっただけのような口調。
私を見ているはずの先生の視線は、その実、一分の揺らぎもない。単に私の方を向いているだけの瞳が見ているのは、虚空。
私の目の前に座っているのは亡霊だった。死人の眼差しで、死人の言葉を手繰る、それは先生の姿をした、先生の成れの果てだった。先生の言葉は過去しか映していない。あるべき場所に帰るために――墓所への道をたどるために。
「そう、今さらだ」
今さら。その先を言わせてはならない。墓所に横たわる先生を殺傷する凶器が振り下ろされる。
なのに、凍りついた私の喉は、先生を救う言葉を何ひとつ持たなかった。
「こんなことなら、さっさと死んでしまえばよかった。学校を見限った時点で、学校に見限られた時点で――お前を犯す前に、いくらでも時間はあったんだ。私はそうしなかった。未練がましい、私の弱さが、お前に一生消えない傷を負わせてしまった」
口を押さえた手が、身体が震えて、止まらない。先生を手に入れたつもりでいた。私と先生の間を邪魔するものがいなくなって、先生も私を受け入れてくれたのだと思っていた。
先生と私は永遠に結ばれるのだと。
そう、思い上がった帰結が、これだった。
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