過去ログ - 教師「お前は一体どうしたいんだ!」 少女「私は……」
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91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/09/01(月) 01:26:39.56 ID:pGgsnQdi0
教師の職場では同僚に対する陰口が常態化していた。その場にいない誰かを悪し様に罵ったそばから、席を外した者への非難を平気で行い、輪に戻ってくればまた誰かを罵る――そんな光景は、もはや慣習の域だった。
教師自身は陰口の類は言うのも聞くのも嫌だという性質だったので、最初こそきっぱりと拒絶したり、それとなく注意したりもしたが、同僚たちが反省することは一度もなかった。終いには逆に怒り出す者が出る始末で、教師はそのうち何も言わなくなっていった。

今回教師が無言の内に同僚の会話をやめさせたのは、話題が明らかに教師への悪口だったからだ。さすがに聞こえよがしに自分の批判を垂れ流させるほど教師はお人好しではなかった。

教師(含むものがあるなら、直接私に言えばよいものを……)

と思いはするが、一方でこうした行いは一般にそう珍しいことではない。教員は意外にストレスの溜まる職場だし、その解消として口を衝いて出るのかもしれない。

なにより問い詰めたところで問題は解決しないし、むしろ悪化させてしまうだろうと思ったので、これをどうにかするのは諦めてしまっている。陰口の対象が自分であることは教師にとっては大事でなかったこともあり、放置するのが最善策だった。

懸念があるとすれば、最近とくに、教師に聞こえるような声で教師を貶める発言がされることが多くなってきていることだった。むしろ教師に聞かせることが目的のように感じるのは被害妄想だろうか。

前々から自分が陰で叩かれていること自体は認識していたが、明確に悪意と呼べる感情を、直接ではないにしても突きつけてくることは今までなかった。
それは彼らの弱さとか卑怯さの表れだが、同時にささやかな良心の抵抗という側面もあろう。人の心は善悪が互いに表裏をなしているものだ。いずれにしても良心の制止を振り切って人が悪心に走るなら、相応の理由やきっかけがあるはずだった。

そして、そんなものはひとつしか存在しない。



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