3: ◆2BIJ5nUpEk[saga]
2014/06/01(日) 22:58:18.18 ID:jYhc2yQnO
土御門元春は、自惚れではなく、顔が広い。
陰陽博士と呼ばれるほどの達人の域にまで専門の魔術を極め、しかし、様々な理由からそれを全て投げ捨てて学園都市に来た彼は、血の滲むような努力を下地に手回しをして、裏方に徹してきた。科学サイドと魔術サイド、その間に戦争が勃発しないように。
「聞こえているのかい?」
彼を覗き込む瞳。
そういえば、いつも身につけているサングラスはどこへいったか。土御門は状況を飲み込めないまま、とにかく何か情報を得るために、絞り出すように声を出した。
「ここは、どこだ?」
直後に、喉がカラカラであることに気付く。
水……いや、頼んで何を入れられるかもわからない。薬でも盛られたら終いだ。
女性は白衣を着た医者のような風貌だが、第一印象を操作するための衣装であるとも考えられる。
そんな思考に浸っていると、女医が土御門の呟きを拾って答えた。
「ここは私の研究室だ。私は小室菫という。世界最高の頭脳と名高い医者にして科学者だが、知らないかね」
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