過去ログ - ジール「ラヴォスエネルギーか……」
1- 20
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/02(月) 22:51:48.46 ID:x27B8ZyIo
扉の開く音が響く
ジールは手を下げると、少し警戒した表情で開いた扉の先を見た

ジール「何者か」

しかし、先に居た少年を確認してすぐに表情を緩める

ジール「ジャキ」

ジャキ「母様……」

ジールは椅子から立ち上がると、トコトコと歩くジャキの下まで近寄り、優しく抱擁する

ジール「何かあったか?」

ジャキ「ううん、母様に会いたくて」

ジール「うむ、わらわも同じじゃ」

ジャキのようなまだ年端もいかぬ子供をサラに任せきりで放置していることには責任を感じている
しかし、この国はまだ発展途上すぎるのだ。それに加えて、外は止まない猛吹雪に見舞われている

ここで、いかにして食物を作り、国を作り、人を支えなければならないか
ジールはここの女王として、一人の母親になりすぎるわけにはいかないのだ

ジールはジャキの蒼白色の髪を優しく撫でる

ジャキ「母様、今夜は一緒に寝れる?」

ジール「うむ、今日は早めに切り上げるとしよう。寝る前には絵本もよんでやるぞ」

ジャキ「ほんとう?」

ジール「うむ、それまで良い子でおるのじゃぞ」

ジャキ「うん」

ジャキはジールの胸元に顔を思い切りうずめたあと、ぱっとジールから離れた

ジャキ「母様、じゃましてごめんなさい」

この子は歳の割に出来すぎているとジールは思う。この歳じゃまだ母親に甘えて、離れないことが普通なのに

ジール「よい、ジャキなら何時だって構わぬ」

ジャキ「ううん、姉上と待ってる」

ジール「うむ、ではまた会おうぞ」

ジャキ「うん」

ジャキは滅多に見せない笑顔を見せ、女王の間から出て行く

ジール「赤き石の力を使えば、共にゆっくりと時間を過ごせるのかもな……」

ジールは一人苦笑し、顔を横に振った

ジール「何を言うておるジール……わらわには何千、何万もの命が託されて居るのじゃぞ。私利私欲で迂闊な判断は出来ぬ」

ジール「それを忘れるなジール……」

ジールには、あの赤い石からは強い魅力と同時に、強い危険性も感じていた



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
140Res/78.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice