過去ログ - 京太郎「俺がハンドボールをやめた理由」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/03(火) 23:21:01.63 ID:rxHh/dJO0
 その後、俺は病院へと担ぎ込まれた。

 先生の応急手当のお陰もあって傷はそこまで酷くはならなかったが、それでも決して軽いものではなく、結局俺はその“競技”を続けることが出来なくなってしまった。

 それから暫くは、病院のベッドに縛り付けられながらまずい飯をただ口に運ぶだけの毎日を送った。周りは誰もが老人で、半分植物人間のようになりながら寝込んでいる。

 話し相手といえば、見舞いに来てくれるチームメイトや後輩、そして咲くらいのものだ。

 だから、昼はまだマシといえた。しかし夜はただ暗闇に包まれた病室の中で、静かに薄汚れた白い天井を見つめることしかやることがなかった。

 ただそういった退屈さよりも、二度と“競技”をすることができないと言うことの事実の重さの方が、俺の心を蝕んでいた。

 その侵食が“競技”への恨みに転化していると気付いたときには、もう遅かった。

 俺は身体からも、心からも、その“競技”を拒絶することとなったのだ。


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