18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/05(木) 19:26:59.07 ID:DNBJrAglO
004
「前が見えねェ」
「おはようごぜーます」
そして僕は今日も出勤する。
拳の形に顔が凹む、という不思議体験は中々のものであったことを阿良々木録に記そう。
「おはよう、市原」
市原はキリンの着ぐるみを着ていた。
「キリンさんのきもちになるですよ!」
「キリンか……しかしキリンと言うには小さいな」
キリン。
麒麟と書くと空想の霊獣と読みも同じになる為、今回は片仮名で表記しよう。
正直、キリンにはあまりいい思い出がない。
その昔、家族で動物園に行ったとき、あまりの大きさに見下され、鼻で笑われた気がするからだ。
まあ、僕の勝手な思い込みでキリンに非は一ミリたりともないのだけれど。
目の前のキリン市原も単なる着ぐるみなので、キリンの顔ぶん伸びてはいるが、劇的に伸びるということはなくやはり小さい。
「ふっふっふ……きょうは仁奈におくのてがあるでごぜーますよ」
「奥の手?」
「暦、耳をかしやがれです」
こいこいと手で僕を招き寄せる市原。
幼女に招かれてノーという阿良々木暦は戦場ヶ原ひたぎの愛した阿良々木暦ではない。
市原の傍らに寄り、膝を曲げる。
それでも僕の耳に届かずに背伸びをする市原超かわいい。超ユンピル。
「そんな手があったなんて……!」
市原の内緒話を聞き、あまりの感嘆に身を震わせる僕。
まさか、そんな形で僕と市原が両得の結果を導き出せるなんて ……!
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