26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/05(木) 19:45:40.21 ID:DNBJrAglO
006
後日談というか、今回のオチ。
「除霊に近いかな。この世に未練がある動物の霊を市原の衣装に取り憑かせて、市原がその動物を真似ることで成仏させるんだ」
そういう意味では僕のコスプレは要らなかった訳だが。
と、隣で神原の膝上に抱っこされていた白坂が不安そうに聞いてくる。
「……だ、大丈夫なの、それ……何だか危なそうに聞こえる……けど」
「大丈夫だよ。悪霊ではなく 、産まれることなく生涯を終えてしまった動物霊だから」
「……そう」
白坂は少し寂しそうな眼をしていた。
白坂は、産まれ付き霊の類が見える体質、らしい。
臥煙さんの話によれば、稀にそういう人間もいるとのこと。
霊を常に身近に感じている白坂には、何か思うところがあったのかも知れない。
この一連の作業については、臥煙さんからの正式な仕事の依頼だ。
報酬はないが、僕と市原にとって実益を兼ねたものだったので引き受けた。
実益とはあらゆるコスプレ衣装を無料で作ってくれる、という点だ。
市原の今後の活動において必ず有用となるだろう。
内容は白坂に先述した通り動物の霊の除霊、だ。
本来ならば取るに足らないような小さな霊だが、塵も積もれば何とやら。
死屍累生死郎の例を取って見ても判るように、あまり集まりすぎると良くないらしいので、僕にまとめてお鉢が廻ってきた、という訳だ。
しかし市原のことまで把握していた臥煙さんは相変わらず恐ろしい人だ。
いきなり電話が掛かってきて開口一番、
『こよみん、仁奈ちゃんの色んな衣装見たくない?』
だったのだから恐れ入る。
もちろん即答した。
しない理由がない。
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