過去ログ - 海未「もう恋なんてしない、なんて」
↓ 1- 覧 板 20
10: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:07:03.29 ID:RbfEaN0Lo
帰ればことりがいる生活が嬉しくて、楽しくて。
ですが、いつからか歯車が狂い始めました。
仕事が忙しくなって、あまりデートもできなくなって。
11: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:07:43.34 ID:RbfEaN0Lo
『ねえねえ海未ちゃん、今度の休みなんだけど……』
『すみませんことり、ちょっと今日は疲れてまして……』
『あ……そっか。ごめんね』
12: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:08:19.64 ID:RbfEaN0Lo
そういうものの積み重ねが。
『ことりね、ちょっと疲れちゃった』
あの言葉に集約されていたんだろうと思います。
13: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:08:53.72 ID:RbfEaN0Lo
食べ終わり、反射的に左側を見ます。
『ことり、どうして正面に座らないんです?』
『だって、海未ちゃんと近い方がいいから♪』
14: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:09:23.75 ID:RbfEaN0Lo
今でもそこに彼女がいるような気がして。
後悔ばかりが、胸に浮かんで。
「どこかに、出かけましょうか」
15: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:10:04.94 ID:RbfEaN0Lo
とりあえず顔を洗いに洗面所へ。
そこには白い歯ブラシと、深い青色の歯ブラシ。
まだ捨てられない彼女の歯ブラシ。
16: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:10:42.45 ID:RbfEaN0Lo
着替えようとクローゼットを開ければ。
『海未ちゃん、絶対これ似合うよ!』
『いや、ちょっと大胆すぎませんか……?』
17: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:11:08.71 ID:RbfEaN0Lo
ずっと2人で暮らしてきたこの家にはことりの思い出が色濃く残りすぎていて。
彼女と暮らした日々は私にとって本当に幸せで。
「うっ……くっ……」
18: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:11:45.32 ID:RbfEaN0Lo
こんなことなら……。
「こんなことなら、恋なんて……」
しなければ良かった、とは言わない。
19: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:12:11.44 ID:RbfEaN0Lo
楽しかった思い出も、喧嘩した日々も。
全ては大切な思い出であり、素敵な恋でした。
だからこそ、もう恋なんてしないなんて言わない。言えない。
20: ◆PNFDLOCdao[saga]
2014/06/07(土) 00:12:46.11 ID:RbfEaN0Lo
「しなければ、良かった……」
辛くて、悲しくて。
ただただ後悔ばかりが湧いてきて。
88Res/25.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。