21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/09(月) 18:52:58.47 ID:bRcDXs440
「ふふ、羨ましいわねぇ。なんか1人だけ若返ったみたいで」
希「えっとその、さっきはありがとうございました。あの……」
「いいのよ。私もあなたを待ってた口だから。あ、これエレベーターね。乗るわよ」
希「あ、はい……。えっと、もしかしてあなたは――」
「う〜ん……まぁ私は別に隠さなくてもいいのだけど、そういうルールらしいから、察しなさい」
希「……はい」
「(………)」
「(……真姫ちゃん)」
希「……病院、大きくなりましたね」
「そうねぇ。経営するのも大変よ。お役人とのやり取りとかもあるし。自由にピアノを弾けてたころが懐かしいわ」
希「そう、ですか……」
「……でも悪くはないわよ。この職業も」
希「……はい」
「地元の病院ということもあって、けっこう見知った人がやってきたりするのよ」
希「はい」
「ずっと仲の良い人。会いたいと思っても疎遠になっていた人。意外な人。病気になってやってくるんだから、あまり望ましいことではないけれど、まぁ懐かしいことには変わりないわね」
希「そう、なんですね……」
「この病室にいる人も、今言ったどれかに当てはまる、私にとって大切な人よ」
希「……ずっと、ですか?」
「……それはきっと、あなたが確認すればいいことよ。じゃあ、私はここまでね」
希「このボタンを押せばいいんですか?」
「ええ。……ふふ、あなただとコードも一緒でしょうしね」
希「はぁ」
「(………)」
「(この部屋の中にいるのは、たぶん……)」
「まぁショックを受けるかもしれないけど、気楽に話すといいわよ。あなたは、そういうの好きだったと思うし」
希「案内ありがとうございます」
「お礼は……ずっと後でお願いね。また会いましょう」
希「はい」
「(……行ってしもた)」
「(深呼吸しとこか。けっこう来るもんがあるって、よく小説ににも書いてあるしな)」
「(……うん、行こか)」
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