過去ログ - 矢澤にこ「きっと青春が聞こえる」
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2014/06/09(月) 23:53:23.83 ID:VQCioLVjo
この中に入っているのは、『私たち』そのものだ。
今でもときどき思い出す。
『私』が『私たち』だった、あの頃。
今なお色褪せない、私たちの奇跡が、ここにあるんだ。
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2014/06/09(月) 23:53:49.94 ID:VQCioLVjo
ピアノが軽やかに踊る。
シンセベースが柔らかくうねり、スネアが陽気に跳ねる。
そして――
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2014/06/09(月) 23:54:38.27 ID:VQCioLVjo
Track1 『僕らは今のなかで』
ラブライブ本戦から数日後、いつもの部室。
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2014/06/09(月) 23:55:17.25 ID:VQCioLVjo
それから今に至るまで、みんなどこか上の空で、ぼんやりしていた。
だけどそれは傷心を引きずっているような感じでもなくて、
燃え尽き症候群というのだろうか、やけにゆったりした空気が支配していた。
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2014/06/09(月) 23:55:43.41 ID:VQCioLVjo
【にこ】
「あんたたち、スクールアイドル続けないわけ? 来年もきっとあるわよ、ラブライブ」
希が軽い調子で続く。
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2014/06/09(月) 23:56:23.48 ID:VQCioLVjo
と、そこに屋外から声が聞こえてきた。
【凛】
「ああ、ごめーん」
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2014/06/09(月) 23:57:04.70 ID:VQCioLVjo
【にこ】
「そこにいなさいよー。私も行くから」
【希】
「あ、うちもー」
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2014/06/09(月) 23:57:31.92 ID:VQCioLVjo
私は運動は得意な方じゃないけれど、球遊びは妹たちと度々することがあったので、
まるきり下手っぴというわけではなかった。
【凛】
「いっくよー」
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2014/06/09(月) 23:58:03.83 ID:VQCioLVjo
【希】
「これからどうするん?」
【にこ】
「別にいいんじゃない、このままで。新学期になればまた変わるわ」
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2014/06/09(月) 23:58:29.93 ID:VQCioLVjo
希は言葉を切ったけど、言わんとしていることは察した。
アイドル活動を続けるかどうかを問いたいのだろう。
なんとなく口幅ったくて、今まではっきりとは言わないようにしていた。
だけど、今こいつになら話してもいい、そんな気分になった。
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2014/06/09(月) 23:59:37.36 ID:VQCioLVjo
【希】
「そっか! うんうん、それがええよ」
【にこ】
「そんなこと気にしてたの?」
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