過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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11:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 02:32:45.76 ID:igNzDGpD0
劣勢にあって、上条は一つの確信を深めていく。
以前に男が食蜂の能力を研究していたのなら、体の能動的な反応についてもそこそこ詳しいはずだ。
おそらくは画像をスキャンするように、電磁波を用いてこちらの生体電流を読み取っている。
とはいえ、それが事実だとして、状況は好転しない。
どんなトリックを用いたところで生理的な反応を止める手立てなどない。

読まれているという意識からか、間合いを詰め切ることができないまま、上条が摺り足で相手の動きを窺う。
迂闊に突っ込んだところで先ほどの二の舞だ。
相手が金属球を操作する一瞬の隙を窺うしかない。
場合によっては、ある程度のダメージは覚悟の上で、一撃必殺に懸けるしかない。

わずかな兆候も見逃すまいと、自分の一挙一動をつぶさに観察しようとする上条に木原は

「見かけによらず冷たいな。ぼけっと突っ立っている暇があるのかねぇ?
君がそうやってのんびり休んでいる間にも、あの娘がどんな目に遭わされているやら」

せせら笑うように喉を鳴らした。

上条の唇の端から顎にかけて、ゆっくりと血が伝っていく。
わざわざ言われなくとも百も承知だ。
それでも、ここで倒されてはもう後がない。
不用意に仕掛けることだけは避けねばならない。
だが、そんな上条の心境の揺らぎをも、木原が見逃すことはなかった。

「がっ……!?」

唐突に、右足に覚えのない灼熱感を感じ、上条がその場から飛び退いた。
だが、ふくらはぎの痛みは引くことを知らず、むしろ増大した。


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