過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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3:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 01:16:38.64 ID:igNzDGpD0
「……そうか。テメェが、食蜂の誘拐を主導した研究者か」

顔合わせ早々の喧嘩腰な態度に、大いなる誤解があるようだ、と初老の男が白髪交じりの髪を撫で擦った。

「騒動の大元は彼女に端を欲している。謂わばこちらは被害者で、事情を知りもしない部外者から罪人呼ばわりされるのは不本意だな」

やや後退した頭髪に尖った顎。白衣を纏う体は中肉中背で、特別鍛えているようには見えない。
背丈にしても自分とさして変わらず、先ほど戦った傭兵上がりと思しき男とは比べるべくもない。
誰がどう見たところで、どこの施設にもいそうな研究者という評価に落ち着くだろう。
学園都市では半ば背景の一部と化しているような存在感の希薄さだ。

「被害者だ? 研究を妨害されたことを根に持ってるってんならお門違いだろ。あんなの、実態を知りゃ誰だって逃げ腰になるだろうさ」

「そんな軽い一言で片づけられてはたまらんね。人生を捧げて打ちこんできたものを頓挫させられたんだ。
子どもの悪戯じゃ済まないことだって世の中にはある」

にもかかわらず、並み居る強敵たちと対峙してきた経験が、脳裏に警鐘を鳴らし続けている。
この男が、今まで戦ってきた誰より、危険な存在だということを。


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