過去ログ - 食蜂「好きって言わせてみせるわぁ」その4
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32:乾杯 ◆ziwzYr641k[saga]
2014/06/10(火) 04:33:59.11 ID:igNzDGpD0
「そんなことで、って言ったら失礼かもだけど、自分を責めるのはもう禁止」

「……イン……デックス」

「ていうか、うん、あなたがいつも素っ気ない態度取ってるのってそれが原因だったんだね。やっとすっきりした」

目頭が熱い。自身の操る炎のせいだけでないことは、わかっている。
それを目にとどめるだけで精一杯だ。

「でも、終わったことをいつまでも引きずってたら距離だって縮まらないじゃない?
わたしはもっとステイルや、火織とだって、仲良くしたいのに」

「……僕は…………しかし」

不満げに頬を膨らませながらも、心のどこかで待ち望んでいた言葉を述べるインデックスに、ステイルは思わず唇を噛んだ。
彼女の優しさに甘えるな。
甘えかけているからこそ、甘えたいと思うからこそ、頭に浮かんだ叱咤の言葉。
許される資格などとうに喪失しているはずだ。


「さっきあなたはわたしに傷ついてほしくないって言ったけど、わたしだってあなたが傷つくのは嫌なんだよ」


そのはず、なのに。


「わかったら大人しく協力させなさい。あなただって神父なんだし、人の厚意を無碍にするなって教えだって、学んでるはずでしょ?」


いつでもこの子はそうだった。
人の心にズカズカと、土足で勝手に上がり込んできて。


「痛みは背負わせるものじゃない。分かち合うものなんだよ。
あなたがまだわたしを――あなたたちとの大切な思い出を失ってしまったわたしでも――仲間だと思ってくれてるんなら、そうさせてほしいな」

僕に己の小ささを、思い知らしてくれる。
その眼差しのあまりの真っ直ぐさに、目を背けたくなる。

でも――かつての彼女の目とは違う。
敵意と怯えがない混ざった、定期的に記憶を消されていた頃の彼女の目とは決定的に違う。
賢明に、懸命に前を向いて、困難と闘おうとする意志に漲っている。


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