過去ログ - 女子高生「た、助けて……」 リーマン「フヒヒ」モミモミ 男(やめたまえ!)
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◆ogbr65IgNI
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2014/06/16(月) 17:24:23.42 ID:JRjiIxAJo
地下鉄の車内は満員であった。
車内の空調では夏の暑さと人混みからくる熱を和らげきれず、高校へ向かう彼はだらだらと汗を流している。
右手には鞄を提げ、左手は吊革に掴まっている為、ハンカチで顔を拭くのも一苦労であった。
おまけに、周りと密着しているせいで、手を顔の前に持って行くのも容易ではない。
彼は苛立っていた。
彼の傍には香水だか制汗剤だか分からない匂いを強烈に放つ女が立っており、それが苛立ちに拍車をかける。
だが、何よりもいま彼の憎悪の対象となっていたのは、対面の椅子に座る連中だった。
六人掛けであるはずのその長椅子には、五人しか腰掛けていない。
主犯は中央に足を広げて座る背広を着た初老の男であったが、他の四人もまたその犯行を利用し、席を詰めようという努力を放棄していた。
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2
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:28:45.50 ID:JRjiIxAJo
彼にはそれが許せなかった。
この五人組のせいで一人分車内が窮屈になっているという実害に対する怒りではなく、ルールが破られていることそのものへの言わば公的な怒りであった。
しかし、長椅子と彼との間にはいくらか距離があり、五人に注意することは難しい。
以下略
3
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:29:38.34 ID:JRjiIxAJo
彼の怒りは、五人の傍に立つ者達にさえ向けられる。
なぜ、誰も奴らに注意しようとはしないのか。
これほどあからさまに衆人環視の中でルールが破られているというのに、なぜ皆それを見過ごすのか。
以下略
4
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:30:37.65 ID:JRjiIxAJo
こうやって人混みに紛れながら、ただ、決まった仕事をこなし、そして、また人混みに紛れながら帰宅する。
だが、そこに正義はない。
以下略
5
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:31:46.80 ID:JRjiIxAJo
何とか自分を落ち着かそうと試みる。
こんなひどい気分のまま学校へ行きたくはない。
窓の方に目をやる。
以下略
6
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:32:31.41 ID:JRjiIxAJo
それは痴漢であった。
三十代半ばと思える、例によって背広を着たその男は、女生徒に背後から異様なほど密着していた。
その手が、ゆっくりとだが、女生徒の臀部の上で動くのが、人混みの隙間から確かに彼の目に映った。
以下略
7
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:36:42.09 ID:JRjiIxAJo
(止めさせなければ)
散り散りとなっていた思考がようやく纏まり、当然の結論に辿り着く。
以下略
8
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:37:31.10 ID:JRjiIxAJo
何しろ車内はこれだけ混んでいる。
前の人間とある程度密着してしまうことは避けられないし、腕だってそう自由には動かせない。
男の手は、その意志とは無関係に女生徒の臀部に押しつけられてしまい、男はただそこから脱しようとしているだけ、という可能性はないだろうか?
以下略
9
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:38:20.71 ID:JRjiIxAJo
(いや、それ以前にそもそもどうやって奴を告発するのだ?)
彼と男との間には、数人分の距離がある。
以下略
10
:
◆ogbr65IgNI
[saga]
2014/06/16(月) 17:39:28.34 ID:JRjiIxAJo
彼が大声で男を告発すれば、当然、男はそれを否定し、彼に食ってかかるだろう。
その時に彼が頼れるのは、被害者である女生徒の証言だけだ。
以下略
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