17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/06/17(火) 03:28:29.54 ID:/eWvdN5Bo
孤児たちが脚を運ばなくなることはよくあることであった。
どこかの学生寮にでも住むことができるようになったり、
なんとか仕事を見つけて生計を立てることができるようになる者もいる。
寂しいものがあるが、子供達には子供達の生活があることは理解していた。
また神父は置き去りと呼ばれる子供達が孤児ゆえに怪しげな実験の被検体として企業や研究
施設に利用されていることも朧気ながらも知っていた。
科学の街で宗教家の自分ができることは少ない。彼らはあまりにも強大で神父はあまりにも無力であった。
神父にできることはより多くの子供を可能な限り彼らの手から遠ざけることだけで、
必ずしも全てを救えるわけではなかった。
姿を見せぬようになり、誰からも噂すら聞く事がなくなった子供達が出るたびに
神父は心を痛め、神の沈黙の意味を問うた。
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