過去ログ - 渋谷凛「シンデレラ前夜」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:06:13.59 ID:bpx7at7DO
私もきっと何かに必死になって向き合っていればそんなことは思わなかったと思う。
でも私にはそんな風に必死になれるものが無い。

人生が楽しく無さそうと思われたのは、
自分が熱量を傾けられるものが無いからそう思われてしまったのだろう。
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:07:13.17 ID:bpx7at7DO
季節は春。全てが華やかに色づき、何もかもキラキラしている
そんな季節なのに、私の目に映る世界は灰色に染まっていく。

イヤホンから流れる彼女たちの鮮やかな歌声と灰色に見える世界が、
私をどうしようもない日常の泥沼に引き込んでいく。そんな感覚に襲われる。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:08:05.39 ID:bpx7at7DO
冬に比べればだいぶ日も長くなってきて、
今日はいつもより暖かいから、ふらつくにはいい日。

イヤホンをしているといいことが一つある。
渋谷は声を掛けてくる人が多いから、気付いていないふりをしてやり過ごすことが出来る。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:08:55.52 ID:bpx7at7DO
渋谷についてから数時間は過ぎただろうか。
なんでこんな街でふらふらしているんだろうかと考えると、
とても無意味な時間を過ごしていることに気付く。

時間を潰すためだけに私は今ここにいて、こうしてふらふらしているのだろうか。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:09:49.00 ID:bpx7at7DO
私は私を分からないままに、こうして時間を浪費する。

でも、もううんざり。楽しくなんかない。いつもいつもそう思う。

でもそんな退屈な日常から、私は逃げることが来ない。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:10:28.94 ID:bpx7at7DO
こうして今日が終わり、また明日になり、明日が終わっていく。
それでいいんだと割り切るのに、一体どれぐらいの時間がかかるのだろう。
そしてそんな風に思える日は果たして来るのだろうか。


以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:11:09.33 ID:bpx7at7DO
目を向けると、物凄い勢いでえずいている。

「…っ、はっ…はぁ…ぉぇ…ハァ……」

「えっ…だ、大丈夫ですか?」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:11:51.46 ID:bpx7at7DO
「はぁ…、そ…んか…、あ、オェ…ぬね…」

「…はぁ」

このまま放置するわけにもいかないし、すぐ横に自動販売機もある。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:12:30.90 ID:bpx7at7DO
ワイシャツ姿の男性は何度か深くうなずいてから私のペットボトルを受け取る。

呼吸を一つ二つと置いて、ペットボトルのスポーツ飲料水を勢いよく飲み…いや、吸い込んだ。

ペットボトルがベコン、ベコンと凹み、あっという間に500ミリのペットボトルは空になる。
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:13:18.74 ID:bpx7at7DO
「別にいいよ。たまたまぶつかった縁ってことで。じゃあ私はこれで」

「いや、たまたまじゃない。君を探してたんだ」

「…は?」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga sage]
2014/06/17(火) 23:14:03.41 ID:bpx7at7DO
「もう一人の女の子に声かけて聞こうと思ったんだけど、
人が多くて右往左往しているうちに見失っちゃって。
それでもうひたすらに渋谷の街を大激走。
君みたいな女の子が好きそうなショップとかを、走り回って確認しては走るを繰り返してたよ」

以下略



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