130:1[sage]
2014/12/03(水) 22:54:01.90 ID:/SF9hwFA0
艦娘「もう大丈夫だよ! すぐ行くからね!」
男の子「うん、ゆっくり降りてきて…へへ」
艦娘「なんで笑って…あ! ちょっと! パンツ、パンツ、見ないでったら!」
艦娘(当然だがこの子には後でゲンコツをかましたが…とにかく足場まで降りて、その子を押しながら上る)
艦娘「大丈夫だから、ね? お姉ちゃんが背中抑えてるから」
男の子「うん…」
艦娘「よっと…結構重…うわ、わわわ!?」
艦娘(そして間抜けにも私は足を滑らせて転落。そのまま下まで転げ落ちたが、転げ落ちたお陰が、そこら中に痣と擦り傷、そして手首を折るだけで済んだ)
艦娘(ギブスで固めた腕で男の子にゲンコツしたせいで完治まで時間がかかったけれど)
艦娘(とにかく私は、少しアグレッシブな子供時代を送っていた)
艦娘(怪我をするのもしょっちゅうで、その度に艦娘は強い子とか無鉄砲な子とか、色々言われる)
艦娘(強いといわれるのは悪くない気持ちだけど、でもこんな平和な村で出来る事はたかが知れている)
艦娘(それは本当に強さなのかな? 小さな社会で完結してるんじゃないかな?)
艦娘(本気出して考えてみることにそれが加わり、私はこの村でのなんともいえない気持ちを覚えている)
艦娘(世間では海からやってくる深海棲艦の暗いニュースばっかり。だけど、ここは別世界)
艦娘(平和で、穏やかな世界。だからこそ、人々は平和を謳歌し、平和を好む)
艦娘(村の外をまるで外の世界のように話して、切り離されている)
艦娘(それが幸せなんだと思っている。きっと両親は今でもそう思っている。それは否定しない。否定できない)
艦娘(出来ることなら誰も傷つきたくないし、傷つけられないのは解りきった事だ)
艦娘(でもそれがどこか言い様のない虚しさを感じていたのは、私だけなのかな)
艦娘(平和すぎる村の中で、一つの風がやってきた)
艦娘(村の最果てに、一人の男性が引っ越してきた。普通ならば畑仕事や林業がこの村の常、でもその人はどちらもやっていなさそうだった)
艦娘(彼は時折、若い少女に視線を向けては時に遠い目をしていた。決して若くはなく、仕事もしていないのに生活に困っている様子はない)
艦娘(村人達は不気味な余所者とあまり関わらないようにしていた。でも、私はそんな彼の存在が不快には見えなかった)
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