21:1[sage]
2014/06/18(水) 21:34:28.72 ID:uFrkF4c+0
艦娘(今も時々思い出すが、その頃の私はエンジン開発が出来ない悔しいという思いと、規格にあわさせられて自由に出来ない辛いという思いに挟まれた)
艦娘(悔しい、辛い、という思いが渦巻いていた頃、ふと近くを通り過ぎる子供を見た)
艦娘(友達もいる、楽しそうな同年代の女の子。好きな事をして、楽しい事をして)
艦娘(それがとても羨ましかった。自分は友達も行き先も無くて、やりたいこともできないのに)
艦娘(そんなある日の出来事だった)
整備兵A「なに? うちの輸送船が海軍の鎮守府に?」
整備兵B「物資輸送とか、航空隊の整備要員を乗せたいんだと」
整備兵A「けっ! ちゃんと輸送されてるかどうかも心配だぜ。こっちには全然資源がこねぇんだから」
整備兵B「ああ。だから送るのはアイツだ。何度も攻撃受けて、殆ど役にも立たないあいつだよ」
整備兵A「ああ、あきつ丸か」
艦娘「……」
整備兵B「未だに倉庫の奥で膝でも抱えてるんだろ」
艦娘(整備兵として長く勤務していたが、そのあきつ丸なる存在を見た事が無かった)
艦娘(そして私は、倉庫の奥で膝を抱える一人の少女を見つけた)
あきつ丸「どなたでしょうか」
艦娘「整備兵よ」
あきつ丸「私に何か用ですか」
艦娘(初めて見た彼女は、想像を絶するほどボロボロだった)
艦娘(知識として、艦娘という存在を知っていたが、見るのは初めてだった。厳密には違う系統だが)
艦娘「あなたが海軍の鎮守府に貸し出されるらしいわ」
あきつ丸「そうでありますか。ここではお役御免という事でありますか」
艦娘「……酷いわね。このまま貸し出しても、向こうで働けないわよ」
あきつ丸「仕方ないであります。私は役立たずであります」
艦娘「役立たずって」
あきつ丸「燃料喰いで航空機も乗せられず、ついでに装甲も薄いであります」
あきつ丸「限界まで荷物を積んで輸送船としての任を果たそうにも、戦う術もあまり無いであります」
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