22:1[sage]
2014/06/18(水) 21:36:38.84 ID:uFrkF4c+0
 艦娘(淡々と語る彼女に、どこか虚しさを感じた) 
  
 艦娘(艦娘として生まれても、役に立てなければ意味が無い。彼女はそう思っていた) 
  
 艦娘「………陸軍がどう言ったかは知らないけれど、海軍ではどういわれるかまだ解らないでしょ」 
  
 艦娘(だから私はこう答えた。彼女は無表情のままそう言葉を綴る彼女を内緒で工廠まで引っ張る事にした) 
  
 あきつ丸「なにをするでありますか」 
  
 艦娘「海軍に送り出すにしても、そのまんまじゃ大恥かくだけよ。満足に性能も出せないでしょう」 
  
 あきつ丸「しかし……」 
  
 艦娘「あっちで役に立つか立たないかは、あっちが決めることよ。ここで決まってることじゃない」 
  
 艦娘(命令違反を承知で、私はあきつ丸を勝手に修理し、あまつさえ勝手に改造まで行った) 
  
 艦娘(少なくない鋼材が使われ、ついでにボーキサイトと弾薬までちょろまかして) 
  
 艦娘(もともと数日しか期限の無い、しかも他人の目を盗んでの突貫作業) 
  
 艦娘(エンジン開発とは程遠いそれが何故か楽しくなっていた。そう、何かを作る事そのものが楽しかったのだ、と私は気付いたのだ) 
  
 艦娘(エンジン開発が一番わかりやすかっただけなのかも知れない) 
  
 艦娘(調子に乗った私は装備の開発まで行い、彼女に載せた。役に立つか立たないかは向こうが決める、とあきつ丸もこの頃には理解したようだった) 
  
 艦娘(受け取りに来た海軍の関係者は何度もお礼を行ってあきつ丸と共に行った。そして、当然のように私の行為はバレた) 
  
 艦娘(貴重な資源を無断借用した、しかも海軍に送り出す船を陸軍の資源で治しちゃったものだから大変だ) 
  
 艦娘(何日も及ぶ尋問、殴る蹴るの暴行も当たり前の数日が過ぎた後、軍法会議にかけられ、刑務所送りになった) 
  
 艦娘(幼い女の子が刑務所送りになるなんて奇妙かも知れないが、実際そうだったのだ。多くの大人に混じって、牢屋に入れられた) 
  
 艦娘(たった一度の衝動の結末が、牢屋送り) 
  
 艦娘(だけど、あきつ丸の改造が楽しかった、という事だけは覚えていた) 
  
 艦娘(こんな私の元に、転機が降って来たのはわずか数日後) 
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