9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/06/17(火) 23:57:45.58 ID:/1qV6/Ro0
長門「………提督から、全艦に出撃命令が出されたんだ。普通はまずないことだった」
艦娘(私と目線を合わせるように、瓦礫の山に膝をついた彼女は語りだした)
長門「敵の大規模艦隊が来ている。別の鎮守府に増援部隊として行って欲しい。本来は支援要員の明石や間宮さんにまでついていけというんだ」
長門「思えば、この時点で問いただしていればよかったかも知れない。旗艦を任された私に、この封筒が入った別の封筒を渡されたんだ。任務が終わるまで開けるな、と」
長門「……私はただの命令書だろう。そう思っていた。向こうに迷惑をかけないように、と多くの資源まで満載させられて、警備すら残さず全艦が出航した」
長門「確かに大規模艦隊は着ていた。それも。千近い数だった。だが、目標はその別の鎮守府じゃない――――ここだったんだ」
艦娘「……」
長門「私達の本来の任務はそれを迎撃して少しでも数を減らすことだった……とてもじゃないが、相手の数が圧倒的すぎた……」
長門「提督は……私達に偽の命令を出して…私達を守ったんだ…そして少しでも敵を減らす為に」
長門「恐らく、敵をひきつけて自爆したのだろう。凄まじい爆発で、遠くからも見えていたそうだ」
艦娘「提督は。いつまでも…艦娘の味方…だから……」
艦娘「その身を挺して、あなた達を守った」
艦娘(今すぐ殴り倒したい気分だった。どれだけすまなそうに語ろうと、彼女は恩人を、私の夫を見殺しにしたのだ)
艦娘(だけど同時に、彼の言葉が浮かんだ。彼がいかに艦娘達を守ろうとしていたか。そして彼女達もまた)
艦娘(私と同じ、人間である事を。私は知っていた)
長門「罵ってくれてもいい。殴っても構わない。恨んだっていい」
長門「……私達は提督に感謝している……」
艦娘(涙を流す彼女の姿を見て、私は自然と彼女を慰めるように抱きしめていた)
艦娘「恨むことなんて出来ない……あなた達は私達を守ろうとした…」
艦娘「提督はあなた達を守る存在だから……」
艦娘「あなた達も私達と同じ、だから……」
艦娘(だからこの時、決意したのだ)
艦娘「――――私も、あなた達のように戦う! 今度は、私が守る!」
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